カワラナデシコ(河原撫子)はナデシコ科ナデシコ属の耐寒性多年草。日本では本州、四国、九州に分布し、日当たりの良い草原や河原に自生しています。
日本に古くからある植物で、秋の七草のひとつのナデシコはこのカワラナデシコを指しています。楚々とした雰囲気は和風や自然風の庭に合います。
カワラナデシコは春と秋に直径3〜4cmの花を咲かせます。花びらの先には細かい切れ込みが入り、清楚な雰囲気が魅力です。花色はピンク、濃いピンク、白があり、白い花を咲かせるものはシロバナカワラナデシコとも呼ばれます。葉は灰緑色で細長く、草丈は30〜80cmになります。
丈夫で育てやすい多年草ですが、株の寿命は短く3年くらいまでです。勢いが衰えてきたら種や挿し木、苗を購入して更新しましょう。(条件が合えばこぼれ種で増えます。)
今回はカワラナデシコの育て方をご紹介します。
もくじ
カワラナデシコ(河原撫子)の基本情報
科名・属名 | ナデシコ科・ナデシコ属 |
分類・形態 | 草花・多年草 |
原産地 | 日本、中国、朝鮮半島 |
学名 | Dianthus superbus |
別名 | ヤマトナデシコ |
花色 | 白、ピンク、濃いピンク |
花期 | 5〜11月(7〜9月は花が休む) |
草丈 | 30〜60cm程度 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
日照 | 日向 |
育てやすさ | 普通 |
カワラナデシコ(河原撫子)の栽培環境
日当たり・置き場所
日向の水はけと風通しの良い環境を好みます。
過湿は苦手です。日当たりのよくない場所やジメジメした土壌では弱々しい株に育ってしまいます。
用土
水はけの良い土壌を好みます。
中性に近い土壌が最適で、酸性土壌は苦手です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育てることができます。
地植えの場合は、掘り上げた庭土に腐葉土を混ぜ込み水はけの良い環境を作ります。さらに元肥として緩効性化成肥料を施します。
*庭土が酸性に傾いているようなら有機石灰も混ぜ込んでおきます。
カワラナデシコ(河原撫子)の育て方
水やり
過湿は苦手なので水の与え過ぎに注意しましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植えの場合は、根付いてしまえば降る雨だけで大丈夫です。真夏に雨が降らず乾燥が続くときは涼しい時間に水やりをしましょう。
肥料
それほど肥料を必要としません。
鉢植えの場合は、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
地植えの場合は、植え付け時に元肥を施したらその後の肥料はいりません。
植え付け・植え替え
適期は春か秋です。
植え付け
秋に植える場合は、霜が降りる地域では10月中には植え付けて冬までに根を張らせておきましょう。
植え替え
鉢植えは根詰まりするようになったらひとまわり大きな鉢に植え替えるか株分けをしましょう。地植えは植え替えの必要はありません。
手入れ
花茎が伸び始めた頃に切り戻しておくと、脇芽が増えてボリュームのある株になります。
ひと通り花が咲き終わった茎は根元から切り取ります。
夏越し
暑さにはそれほど強くなく、高温多湿は苦手です。花がひと通り終わる梅雨入りの頃に、草丈を3分の1くらいまで切り戻して風通しよくしておきましょう。
冬越し
寒さには強いですが、強い霜で葉が傷むことがあります。鉢植えは軒下などに移動しておきましょう。地植えは短く切り戻し、バーク堆肥などで株の周りをマルチングしておきましょう。
病害虫
病害虫はほとんど見られませんが、暖かい時期にアブラムシが発生することがあります。見つけ次第駆除しましょう。
増やし方
種まきで増やせます。環境が合えばこぼれ種でも増えます。
種まき
種まきの適期は春(3〜5月)か秋(9〜10月)。発芽適温は20度前後です。
カワラナデシコは好光性なので、ポットや育苗トレーに種をまいたら覆土はごく薄くかけます。明るい日陰で乾燥しないように管理すると10日ほどで発芽します。
環境が合えばこぼれ種でも増えますが、白い花のこぼれ種からはピンク色の花が咲くこともあります。
挿し木
挿し木の適期は春(5月)か秋(9〜10月)です。
挿し穂には花芽のついていない若い芽(株元から出ている芽)を2〜3節使いましょう。
カワラナデシコ(河原撫子)のまとめ
- ナデシコ科ナデシコ属の耐寒性多年草
- 日本では日当たりの良い草地や河原に自生する
- 和風や自然風の庭に合う
- 開花期は春と秋
- 花色はピンク、濃いピンク、白がある
- 日向の水はけと風通しの良い環境を好む
- 寿命は1〜3年と短命
- 種まき、挿し木、こぼれ種で増やせる
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