お庭にぜひ取り入れたい、インパクト最高のカンナの育て方|失敗しない冬越し対策をまとめて解説

今年の猛暑で夏の庭づくりに自信をなくし、来年こそは「暑さに強い花」を植えたいと考えていませんか?

さらに、今カンナを植えている方は「冬越しはどうすればいいの?」と悩んでいるかもしれません。

ご安心ください。この記事では、そんな悩みを解決する夏の主役「カンナ」の魅力と、この時期に必須となる「失敗しない冬越し対策」をまとめてご紹介します!

カンナの特徴

カンナの花

カンナは熱帯原産のカンナ科の多年草で、真夏の強い日差しの中でも力強く育つ、とても頼もしい植物です。暑さに圧倒的に強く、日当たりさえよければぐんぐん大きくなり、夏の庭を一気に華やかにしてくれます。

赤・黄・オレンジ・ピンクなど鮮やかな花色と、大きく伸びる迫力ある葉は存在感抜群。緑葉だけでなく、ブロンズカラーや斑入りの品種も多く、カラーリーフとしても一年を通して楽しめます。特に斑入りのカンナは、花がない時期でも庭のアクセントになります。

地域によっては植えっぱなしで冬越しでき、地上部が枯れても春にはまた新しい芽が出てくる丈夫さも魅力です。

手がかからず育てやすいので、初心者にもおすすめの植物です。

カンナの基本情報

ピンク色のカンナの花

学名 Canna
科名・属名 カンナ科・カンナ属
分類 多年草(宿根草)
原産地 アジア、アフリカ、熱帯アメリカ
花色 オレンジ、赤、黄、白、ピンク
開花時期 7月〜11月
草丈 50cm〜2m
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
日照 日向〜半日陰

カンナの冬越し対策:今すぐやるべきこと

斑入りカンナ・ベンガルタイガー

カンナが寒さに弱い理由:休眠と枯れ

カンナは熱帯性の植物のため、寒さには強くありません。気温が5℃以下になると休眠に入り、強い霜が降りると地上部は完全に枯れてしまいます。来年も元気な花を咲かせるため、ご自身の地域の気候に合わせて適切な冬越し対策を行いましょう。

寒冷地・初心者向け:球根を掘り上げて冬越しする

霜や雪が多く降る地域、または初めてカンナを育てる方は、掘り上げて管理するのが最も安全な方法です。

  • 葉が完全に枯れたら、茎を地際から数センチ残してカットします。
  • 球根を傷つけないように優しく掘り上げ、付着した土を落としたら日陰でよく乾かします。
  • 乾燥後、段ボールや発泡スチロール箱に入れ、凍結の心配がない5℃以上の場所で貯蔵します。

暖地・植えっぱなしで冬越しする(マルチング)

温暖な地域や、最低気温がマイナス5℃以下にならない地域では、マルチングで越冬が可能です。

  • 枯れた茎葉は地際で切り取ります。
  • 球根の周りにバーク堆肥を10cm以上厚めにマルチングし、土の凍結を防ぎます。

【冬越し判断のヒント】
ご自身の地域の「最低気温」や「耐寒ゾーン」を調べ、近隣でカンナが植えっぱなしで冬越ししている例が多いかを確認しましょう。

(参考:筆者の地域は「耐寒ゾーン8b」です。最低気温はマイナス7℃前後まで下がりますが、厚めのマルチングで問題なく冬越しできています。)

失敗しないカンナの基本の育て方

カンナの花

栽培環境

カンナは日当たりの良い環境を好み、真夏の直射日光下でも元気に育つ非常に強健な植物です。生育を最大限に促すためには、水はけが良く、適度な湿り気も保てる土壌が理想的です。

用土

市販の草花用培養土で問題なく育てることができます。

自分で配合する場合は、赤玉土(小粒〜中粒)5:腐葉土4:牛ふん堆肥1 の配合がおすすめです。

水やり

地植え

根付けば降雨に任せて構いません。真夏に極端に乾く場合のみ、朝か夕方に水やりをしましょう。

鉢植え

土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷり与えます。夏は乾燥が早いため、水切れに注意が必要です。

斑入りカンナ

肥料

植え付け時に 緩効性化成肥料 を元肥として混ぜ込みます。

より豪華な花付きを求める場合には、生育期(5月〜9月)に、月1回程度の追肥(化成肥料または液肥)を与えましょう。必須ではありませんが、追肥をすることで株が充実します。

植え付け・植え替え

植え付け

植え付けの適期は 4月中旬〜5月で、遅霜の心配がなくなってから行います。

  1. 植え穴は、深さ30cm程度掘ります。
  2. 球根(地下茎)を配置し、その上に10cmほど土をかぶせます。
    ポイント:カンナの芽は一般に南向きに伸びやすい性質があります。地植えや鉢植えの配置を決める際は、芽の伸びる方向にスペースを確保するようにしましょう。
  3. 株間の目安は 40〜60cm(大型品種は広めに)とります。

植え替え

鉢植えの場合、生育が旺盛なため、根詰まり防止のために1〜2年に1回、春に一回り大きな鉢に植え替えることをおすすめします。

カンナ・ベンガルタイガー

手入れ

カンナの開花期間を長く保つために、咲き終わった花はこまめに手入れしましょう。

  1. 花がら摘み: 咲き終わった花弁は、まめに摘み取ります。
  2. 花茎のカット: 1本の花茎の花がすべて咲き終わったら、花茎ごと根元から切り取ります。これにより、次の花茎が伸びやすくなり、開花を促します。

夏越し

暑さには強く、特別な対策は不要です。むしろ夏が最も元気に育つ時期です。

病害虫

強健なため、病害虫の被害はほとんど見られません。まれに新芽にアブラムシがつく程度で、たいした心配はいりません。

増やし方

地下茎(球根)を分けて増やすことができます。

植え替えや冬越しで球根を掘り上げる際、地下茎(球根)を芽がついた状態で適度な大きさに切り分けて植え付けます。

カンナの品種

斑入りカンナ

カンナの魅力は、なんといっても熱帯らしい鮮やかな色彩と、その圧倒的な存在感です。品種を選ぶ際は、ご自身の庭の広さや植える場所に合わせて、「草丈」と「葉の色」に注目しましょう。

1. 草丈で選ぶ:庭での役割を決める(具体的な品種例)

カンナは品種によって草丈が大きく異なり、庭での役割が変わってきます。

種類 草丈の目安 庭での役割 代表的な品種
大型品種 1.5~2.0m 庭や花壇の背景、目隠し、シンボルツリー的な存在。 『シュトゥットガルト』
中型品種 1.0~1.5m 花壇の主役や背景、庭のアクセントに。 『ベンガルタイガー』、『インディカ』、『バンコック』
矮性品種 30cm~1.0m未満 鉢植えやプランターでの栽培、花壇の前面、ベランダガーデニングにも最適。

『トロピカルシリーズ』、『ダーバン』

2. 葉の色で選ぶ:花のない時期も楽しむ(具体的な品種例)

カンナは花の色だけでなく、その葉の色も大きな魅力です。葉の色のバリエーションを楽しむことで、花が咲き終わった後や休眠期に入るまでの秋口にも、庭の雰囲気を高めることができます。

葉の色 特徴と効果 代表的な品種
緑葉(グリーン) 鮮やかな花の色を際立たせる、最も一般的なタイプ。涼しげで爽やかな印象になります。 一般的な園芸品種、一部の矮性品種
銅葉(ブラック、ブロンズ) 葉が黒っぽいシックな色合い。花の色(特に赤やオレンジ)がより鮮やかに見え、モダンで引き締まった印象の庭になります。 『オーストラリア 』、『ブラックナイト 』、『ダーバン』
斑入り 葉に白や黄色の斑(ふ)が入るタイプ。花がない時期でも明るく、カラーリーフとして強いアクセントになります。 『ベンガルタイガー 』、『プレトリア 』、『ストリアタ 』

3. 品種選びのヒント

  • 日陰対策: 銅葉や斑入りの品種は、日当たりが弱いと葉の色がぼやけたり、斑が目立たなくなったりすることがあります。日当たりの良い場所に植えるようにしましょう。
  • 庭のトーン: 落ち着いた印象にしたい場合は銅葉を、明るくトロピカルな印象にしたい場合は、斑入りや鮮やかな花色の品種を選ぶと効果的です。

記事のポイントをおさらい

 

かんなの花

この記事では、今年の猛暑を経験した方へ向けて、夏の暑さに圧倒的に強い「カンナ」の魅力から、今の時期に必須の冬越し対策、そして品種の選び方までを詳しく解説しました。

  • 耐暑性の救世主:カンナは真夏の直射日光の下でこそ本領を発揮する、まさに猛暑に打ち勝つ夏の主役です。
  • 冬越しは必須:熱帯原産のため、多くの地域では冬越し対策(掘り上げまたはマルチング)が欠かせません。霜が降りる前に適切な準備を済ませましょう。
  • 品種の多様性:草丈や葉の色(銅葉、斑入り)を選ぶことで、鉢植えから壮大な庭のシンボルまで、さまざまなシーンで活躍させることができます。

最後に

来年の夏こそ、失敗を恐れず、カンナの力強い生命力と鮮やかな彩りで庭を華やかにしてみませんか。今の時期にしっかりと冬越しの準備をして、来春の植え付けに備えれば、きっと期待以上の美しい景色を楽しめるはずです。

この情報が、あなたの来年の庭づくり計画の参考になれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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