西洋オキナグサはキンポウゲ科の多年草(宿根草)。
早春から春にかけて5〜6cmの花を咲かせます。花の色は赤、紫、白、淡いピンクがあります。花後にできるタネに白く長い毛があり、その姿が翁(歳取った男性)の頭のように見え、名前の由来になっています。
全草が白い毛で覆われているため、葉はシルバーがかり優しい雰囲気で、見た目は繊細な印象ですがけっこう丈夫です。
*西洋おきな草には全草に毒が含まれています。
もくじ
西洋オキナグサの基本情報
分類 | 耐寒性多年草 |
科 | キンポウゲ科 |
属 | オキナグサ属 |
原産地 | ヨーロッパ、アジア |
学名 | Pulsatilla vulgaris |
花色 | 赤・紫・白・淡いピンク |
花の大きさ | 5〜6cm |
花期 | 3月中旬〜5月 |
草丈 | 10〜25cm |
耐寒性 | 強い(マイナス15℃くらいまで) |
耐暑性 | やや弱い |
日照 | 日向 |
栽培難易度 | 初級〜中級者向け |
西洋オキナグサの育て方
*西洋オキナグサには全草に毒が含まれています。汁に触れるとかぶれることがあるので、作業する時にはビニール手袋を着用しましょう。
栽培環境
日当たりと風通しの良い場所、水はけと水持ちの良い土壌を好みます。
夏の直射日光に弱いので、夏には半日陰になる落葉樹の下に植えるのがおすすめです。
水やり
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。
地植えの場合は、根付いてしまえば雨まかせでかまいませんが、土壌がカラカラに乾いたときには株元にたっぷり水やりをします。
用土
水はけと水持ちの良い土壌を好みます。
鉢植えの場合は、市販の山野草の培養土がおすすめです。
地植えの場合は、掘り上げた庭土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。庭土を掘り上げて山野草の培養土と入れ替えるのも簡単なのでおすすめです。
植え付け・植え替え
休眠期の2月〜3月か9月〜10月が植え付け、植え替えの適期です。
植え付け
西洋オキナグサは直根性で、根を触られるのを嫌います。根鉢は崩さずに植え付けましょう。
根がまっすぐに深く伸びるので、鉢植えの場合は深めの鉢を使うのがおすすめです。
地植えの場合は、夏の直射日光が当たらない、落葉樹の下のような場所が最適です。
植え替え
針植えの場合は2〜3年に一度は植え替えます。その際も太い根を傷つけないように根鉢を崩さずに植え替えましょう。
地植えの場合は植え替えの必要はありません。
肥料
鉢植えの場合は、9月〜10月に緩効性の置き肥をするか、規定倍率の液体肥料を2週間に一回程度与えましょう。
地植えの場合は、肥料は特に必要ありません。
*開花期に肥料を与えてしまうと、間延びしてしまうので控えましょう。
手入れ
花後にできるタネの姿が可愛いので、花が終わってもそのまま楽しむのがおすすめです。ただしタネをつけると株が弱りやすいので、梅雨入りまでには摘み取っておきましょう。
夏越し
梅雨入りまでに、枯れた下葉を取り除き風通しよくしておきます。
夏の直射日光に弱いので、鉢植えは直射日光が当たらない場所に移動しましょう。
冬越し
霜に当たると落葉しますが、耐寒性は強く、極寒冷地でなければ冬も屋外で問題なく育ちます。
株元をバーク堆肥などでマルチングしておくと凍結対策になります。
病害虫
病気
水が切れているわけではないのに、株がいきなり萎れたら白絹病や軟腐病にかかっているかもしれません。
害虫
ヨトウムシ、ナメクジ、アブラムシなどが見られることがあります。
増やし方
株分け
株分けは秋がおすすめです。手で容易に割れるような大きな株になったら株分けできます。切り口には必ず殺菌剤を塗っておきます。
種まき
6月〜7月に採取したタネを冷蔵庫で保管してから、翌年の2月〜3月にまきます。
発芽してから2年〜3年で花が咲きます。
まとめ
- 早春から春にかけて花を咲かせる
- 花色は赤・紫・白・淡いピンクがある
- 花後の種が可愛くて鑑賞価値が高い
- 日当たりを好むが、夏の直射日光は避ける
- 根を触られるのを嫌うので根鉢は崩さず植える
- 初級〜中級者向け
西洋オキナグサは、花だけでなくタネの可愛らしさも人気があります。名前からは和の印象が強いですが、自然風の庭に取り入れやすいです。実際に育ててみると性質はわりと丈夫で、夏の直射日光が当たる環境でも葉は傷むものの元気に育っています。
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