ブルーベリーはツツジ科の落葉低木。春に可愛い花を咲かせ、初夏から夏には青紫の実をつけ、秋には鮮やかな紅葉を楽しめます。大きくなっても2〜3mなので家庭でも手軽に楽しめる果樹です。
ブルーベリーは初心者にも育てやすい果樹と言われますが、その一方で育てるのが難しいと言われることも少なくありません。それは知識がないまま植えてもうまく育たないからです。
ブルーベリーの栽培にはおさえておきたいポイントがあります。それは次の4つです。
- 酸性土壌に植える
- 同系統の品種を2本以上植える
- 地域にあった品種を選ぶ
- 水切れに注意する
今回はブルーベリーの特徴や育て方をご紹介します。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
もくじ
ブルーベリーの基本情報
分類 | 落葉低木 |
科 | ツツジ科 |
属 | スノキ属 |
原産地 | 北アメリカ |
学名 | Vaccinium |
花色 | 白 |
花期 | 春 |
収穫期 | 6〜9月中旬(品種で差がある) |
樹高 | 1〜3m |
耐寒性 | 品種による |
耐暑性 | 品種による |
日照 | 日向 |
ブルーベリーの栽培で気をつけるポイント4つ
酸性土壌に植える
ブルーベリーは酸性の土壌を好むので、土壌がアルカリ性だとうまく育ちません。
栽培するにはピートモスや鹿沼土を庭土に混ぜて、酸性土壌になるようにpHを整えるか、ブルーベリー専用の土を使います。
ブルーベリーの好む土壌pHはハイブッシュ系が4.3~ 4.7、ラビットアイ系が4.3~5.3とされています。
同系統の品種を2本以上植える
ブルーベリーは自家受粉しない(しにくい)性質なので、1本では実がなりにくい果樹です。
実の収穫が目的なら、同系統から別品種を2本以上を植える必要があります。
地域にあった品種を選ぶ
日本でよく栽培されるブルーベリーは、主に「ラビットアイ系」「ノーザンハイブッシュ系」「サザンハイブッシュ系」の三つの系統があり、その中にたくさんの品種があります。品種によって暑さに強いもの、寒さに強いものなど違いがあるので、お住まいの地域にあった品種を選ぶのが大切です。
水切れに注意する
ブルーベリーの根は浅い所にしか張りません。そのため乾燥しやすく水切れを起こしやすくなります。水が切れると花や実が落ちたり、うまく育たないことがあるので水切れには注意が必要です。
ブルーベリーの系統
ブルーベリーは系統(品種)によって耐寒性や耐暑性に違いがあるので、お住まいの地域にあった品種を選ぶのが大切です。
日本でよく栽培される主な三系統の特徴は次のようになります。
ラビットアイ系
- 暑さに強い反面、寒さにはやや弱い
- 関東以南での栽培に適している
- 生育旺盛で大きく育ち、実もたくさんつく
- 収穫は7月中旬から
- 樹勢が強く普通の土でもある程度は育つ
- 丈夫で初心者におすすめの系統
ノーザンハイブッシュ系
- 冷涼地や寒冷地向きで暑さにはやや弱い
- 関東以北での栽培に適している
- 実が大きく味が良い
- 収穫は6月上旬から
- 酸性の土でないと非常に育ちが悪い
サザンハイブッシュ系
- 温暖な地域向きで寒さにはやや弱い
- 関東以南での栽培に適している
- 収穫は6月中旬から
- 酸性の土でないと非常に育ちが悪い
ブルーベリーの育て方
栽培環境
日当たりと風通しが良い場所を好みます。
半日陰でも育ちますが実の収穫量は少なくなります。
西日が当たる場所は乾きやすいので、株元をバーク堆肥や藁などでマルチングして乾燥対策をしましょう。
植え付け
植え付け適期は、休眠期に入る11〜12月か3月ごろです。お住まいの地域に適した品種を選んで植えましょう。
酸性土壌以外ではうまく育たないので、市販のブルーベリーの土を使うのがおすすめです。
自作する場合は、酸度未調整のピートモスと鹿沼土を5:5の割合で混ぜたものを使います。
ブルーベリーは根の張りが浅いので、植え付け後は支柱を立てましょう。
水やり
根が浅くて、水切れを起こしやすい木なので、水やりには気をつけましょう。
春から秋は地植えでも土が乾いていたら水やりをしましょう。冬も雨が降らず乾燥するような時は水やりをします。
鉢植えは土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをしましょう。
肥料
3月上旬の芽吹き前と実が大きくなる6月、落葉後にもブルーベリーの専用肥料を置き肥します。
*肥料の与えすぎは、実が少なくなったり、味が落ちる原因になるので控えめに。
剪定
剪定は落葉期の11〜12月に行います。
枝が密生すると風通しが悪くなり、害虫が発生しやすくなります。不要な枝を切り取ってすっきりとさせておきましょう。
夏越し
水切れさせないように注意しましょう。
株元に日光があたるようなら、バーク堆肥や藁でマルチングして乾燥を防ぎます。
冬越し
冬も土が凍るような地域では、バーク堆肥や藁でマルチングして凍結を防ぎましょう。
病気
灰色カビ病や斑点病が発生することがあります。見つけ次第対処しましょう。
害虫
アブラムシやハダニ、コガネムシや毛虫など、さまざまな虫が発生します。
なかでもイラガの幼虫はブルーベリーに発生しやすい毛虫で、毒棘が刺さると激痛が走り、皮膚炎を引き起こすので注意しましょう。
実を収穫するなら農薬は使いたくないものです。害虫は早めに気づいて取り除きましょう。
収穫
一般的に、ブルーベリーは栽培2年目から収穫できると言われています。
植え付けて1年目は花が咲いて結実すると株が弱ることがあるので、1年目の花は摘み取って株の生育を優先させた方が良いです。
まとめ
ブルーベリーを上手に育てるために大切なポイントは次の4つ。
- 酸性土壌に植える
- 同系統の品種を2本以上植える
- 地域にあった品種を選ぶ
- 水切れに注意する
最後までご覧いただきありがとうございました。
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