タマスダレは、「ゼフィランサス」の名前でも流通するヒガンバナ科の球根植物。
夏から秋にかけて爽やかな白い花を咲かせます。一つの花は数日で咲き終わりますが、次々と新しい花が咲いて長期間楽しむことができます。
暑さ寒さに強く、放任でも良く増え、数年植えっぱなしで良いのも魅力で、栽培は簡単なので初心者にもおすすめです。
ただし、タマスダレは全草に毒性があります。栽培場所や扱いには気をつけましょう。
今回はタマスダレの特徴や育て方をご紹介します。
もくじ
タマスダレ(ゼフィランサス)の基本情報

| 分類 | 多年草(球根) |
| 科 | ヒガンバナ科 |
| 属 | タマスダレ属 |
| 原産地 | 南米 |
| 学名 | Zephyranthes candida |
| 別名 | レインリリー、ゼフィランサス |
| 花色 | 白 |
| 花の直径 | 3〜5cm |
| 花期 | 7〜9月 |
| 草丈 | 20〜30cm |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 日照 | 日向〜明るい半日陰 |
タマスダレ(ゼフィランサス)の特徴

タマスダレは、ヒガンバナ科に属する球根植物です。夏から秋にかけて、爽やかな白い花を咲かせます。一つの花は数日で咲き終わりますが、次から次へと花が咲き、長期間にわたってその美しさを楽しめます。
高温乾燥の後に雨が降ると一斉に花を咲かせることから、「レインリリー」という美しい別名も持っています。
草丈が低く、まとまって咲く姿がとても美しいので、花壇の縁取りや通路沿いにまとめて植えるのがおすすめです。暑さや寒さに強く、自然に分球したり、こぼれ種で増えたりと、とても丈夫です。数年間植えっぱなしにできる手軽さも魅力の一つです。
タマスダレはヒガンバナ科なので全草に毒性があります。
葉はニラに、球根はノビルに似ているため、食用植物の近くでは育てないようにしましょう。
タマスダレ属には、他にもピンク色の花を咲かせる「サフランもどき」や濃いピンクの花を咲かせる「ロゼア」、黄色の花を咲かせる「キトリナ」などがあります。これらの品種は耐寒性が低いためかあまり流通しません。開花期もそれぞれ違うようです。
タマスダレ(ゼフィランサス)の育て方

栽培環境
タマスダレは日向から明るい半日陰で、水はけの良い環境を好みます。土質はあまり選びません。
水やり
タマスダレの水やりは普通ですが、夏に極端な乾燥にあうと開花が止まるので気をつけましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植えの場合は、根付いてしまえば降雨に任せます。夏場に日照りが続くときは水やりをしましょう。
肥料
タマスダレは、もともと痩せた土地でも育つ丈夫な植物なので、さほど多くの肥料を必要としません。 むしろ、肥料を与えすぎると球根が腐ってしまうことがあるため、控えめに施すのがポイントです。
春(芽出しの時期):
新しい芽が出てきたら、少量の緩効性化成肥料を株の周りに与えましょう。これは、株を元気に育てるためのサポートとなります。
秋(10月頃):
花が咲き終わる頃には、カリ分を多く含んだ化成肥料を与えます。これにより、球根に栄養が蓄えられ、翌年きれいな花を咲かせる準備ができます。
タマスダレの肥料は、与えすぎに注意し、時期に合わせて適切に与えることが大切です。
植え付け・植え替え

植え付け
植え付けの適期は3月中旬から4月です。
タマスダレは密植して植えると花が咲いたときに見栄えが良いので、球根は3〜5cm間隔で植えつけるのがおすすめです。
植え付け後、葉が出るまでは水を控えめに与えるようにします。
鉢植えの場合:市販の草花用培養土で問題なく育ちます。球根は上部が土に隠れる程度の浅植えにします。
地植えの場合:水はけが悪い場所なら腐葉土や堆肥を混ぜ込み、水はけの良い環境を作りましょう。球根は深さ5cm程度に植え付けます。
植え替え
植え替えの適期は3月中旬から4月です。
株が混み合いすぎると花上がりが悪くなるので、鉢植えは3〜4年を目安に分球を兼ねて植え替えます。
地植えは4〜5年は植えっぱなしでも良く咲きます。

手入れ
咲き終わった花がらは、気になるようなら摘み取ります。
花が終わった後の葉は、黄色くなるまでそのまま残しておきます。タマスダレは球根植物なので、葉が緑のうちは光合成をして球根を太らせ、来年の花芽の準備をしています。葉は黄色くなってから刈り取りましょう。
タマスダレはヒガンバナ科なので全草に毒性があります。扱う際には手袋を着用し、作業が終わったら手を洗いましょう。
夏越し
暑さに強いので特別な対策は不要ですが、夏に極端に乾燥させると花が止まります。何日も雨が降らないようなときは地植えの株にも水やりをしましょう。
冬越し
寒さに強く、温暖な地域では常緑で冬を越しますが、寒冷地では冬は葉が枯れます。傷んだ古い葉は取り除いておきましょう。
病害虫
特には見られません。
増やし方
タマスダレは球根を分ける「分球」と、「こぼれ種」から育てる方法があります。
1:分球で増やす
最も簡単で確実な方法です。
時期は生育期に入る前の春(3月中旬〜4月)です。
-
球根を掘り上げ、ひとつの株に複数ついている球根を、手で優しく分けます。
-
球根を、それぞれ別の場所に植え付けます。
2:こぼれ種で増やす
自然に任せる方法です。
-
花が咲き終わった後、茶色く枯れた花茎(かけい)をそのままにしておきます。
-
やがて種が落ち、翌年以降、自然に芽が出てきます。
タマスダレ(ゼフィランサス)のまとめ

- ヒガンバナ科の球根植物
- 夏から秋に白い花を咲かせる
- 花自体はすぐにしぼむが、次々開花して開花期間は長い
- 夏に極端な乾燥にあうと開花が止まる
- 庭植えにすると4〜5年は植えっぱなしで良い
- 暑さ寒さに強く、放任でも良く増え、育てやすい
- 環境が合えばこぼれ種でも増える
- 全草に毒性がある
我が家の栽培記録

8月下旬の庭
2年前の初夏、私は10球ほどのタマスダレの球根を植えました。植え付けの適期からは少し遅れていましたが、タマスダレはそんなことを気にする様子もなく、夏の終わりには見事に真っ白な花を咲かせてくれました。
それからというもの、タマスダレは庭のあちこちでその数を増やし続けています。特別な手入れをしなくても、自然に分球したり、こぼれた種から芽を出したりと、驚くほどたくましく育ってくれています。
我が家では、夏の終わりの8月下旬頃から花が咲き始めます。まるで雨乞いをするかのように、まとまった雨が降った後には一斉に花を咲かせる姿は、何度見ても感動的です。
肥料は特に与えていませんが、冬に寒肥を与えるブルーベリーの株元に生えているタマスダレは、他の場所よりも生育が良いようです。このことから、過度な肥料は不要ですが、少しだけ栄養がある土や日当たりが良い場所では、さらに元気に育つことがわかります。
タマスダレは、私たちに多くの花と驚きを与えてくれる、とても手のかからない愛らしい植物です。あなたもタマスダレを育ててみませんか?
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