まだ花の少ない早春のガーデンで、ひときわ明るい色彩を放つ「エリシマム」をご存知でしょうか?
エリシマムはアブラナ科の植物で、別名「ウォールフラワー」や「チェイランサス」の名でも親しまれています。種類によって一年草や二年草、多年草タイプとさまざまですが、最近は数年にわたって花を楽しめる多年草の品種が主流です。
11月頃から店頭に並び始め、寒さに耐えながら早春から初夏にかけて次々と花を咲かせる、冬から春の庭づくりにとても「頼りになる」存在です。
最大の魅力は、なんといってもその豊富なカラーバリエーション。黄やオレンジ、アンティークなアプリコットなど、咲き進むにつれて色が変化するマジカルな品種や、美しい斑入り葉を楽しめるものもあります。
今回は、初心者の方でも失敗しないエリシマムの育て方のコツや、夏を越して来年も咲かせるためのポイントを詳しく解説します。
もくじ
エリシマムの基本情報

オレンジ色のエリシマム「レヤ オレンジグロー」
| 学名 | Erysimum |
| 別名 | チェイランサス、ウォールフラワー |
| 科名・属名 | アブラナ科 エリシマム属 |
| 分類 | 多年草(一年草扱い) |
| 原産地 | 南ヨーロッパ〜西アジア |
| 花色 | 黄、オレンジ、ローズ、赤紫、アプリコット、複色 |
| 開花時期 | 3月〜6月 |
| 草丈 | 30〜60cm |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | やや弱い |
| 日照 | 日向 |
| 用途 | 鉢植え、地植え |
エリシマムの育て方

斑入り葉のエリシマム「コッツウォルドジェム」
栽培環境
エリシマムは、日当たりと風通しが良い環境を好みます。高温多湿が苦手なため、夏に半日陰になる場所が理想的です。
とはいえ、一年を通して日向の環境でも元気に育っている株をよく見かけます。必ずしもベストな環境でなくてもタフに育ってくれるので、まずは気負わずに植えてみて大丈夫ですよ。
用土
水はけの良い土壌を好みます。また、酸性土壌を嫌い「中性〜アルカリ性」の土を好むのが特徴です。
🪴鉢植えの場合
市販の草花用培養土で問題なく育ちます。自作する場合は、赤玉土(小粒)6:腐葉土4の割合に、元肥として緩効性化成肥料(マグァンプKなど)を混ぜ込んでおきましょう。
🏡地植えの場合
掘り上げた庭土に腐葉土や堆肥を混ぜ込みます。スギナがたくさん生えているような「酸性寄り」の土壌では、植え付け前に有機石灰を混ぜて調整しておくと安心です。
水やり
過湿は根腐れの原因になるので注意しましょう。
🪴鉢植えの場合
土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
🏡地植えの場合
根付くまでは水切れに注意しますが、一度根付いてしまえば基本的には雨水だけで育ちます。
肥料
植え付け時に元肥を施していれば、その後の肥料はほぼ不要です。
ただし、開花期に「葉の色が薄くなった」「花上がりが悪い」と感じたら、追肥として固形肥料を置き肥するか、即効性のある液体肥料を与えましょう。

黄色のエリシマム「レヤ ブライトイエロー」
植え付け・植え替え
適期:10〜11月、3〜4月
エリシマムは根を傷めると弱りやすいため、「根鉢を崩さずに植える」のが最大のポイントです。ポットからそっと抜いて、そのまま植え付けましょう。
手入れ(花がら摘み)
花は茎の下から上へと咲き上がっていきます。先端まで咲ききったら、次の脇芽が出ているすぐ上でカットしてください。こまめに切ることで、次のお花が上がりやすくなります。
夏越し
夏の暑さや湿気に弱いため、一般的には「一年草」として扱われることが多い植物です。
しかし、温暖地でも花後の初夏に全体の3分の1程度まで切り戻し、株の蒸れを防いで休ませることで、数年にわたって開花を楽しむことができます。
ポイント: エリシマムは成長すると茎が茶色く硬くなる「木質化」が進みます。剪定する際は、必ずその下に新しい芽があることを確認し、芽の上でカットするようにしましょう。
実際に我が家でも、夏を越した3年目の株が今年も綺麗に咲いています。ぜひ夏越しにチャレンジしてみてください!
冬越し
寒さには強いですが、冷たい強風にさらされると株が弱ることがあります。株元をバーク堆肥などでマルチング(被覆)して、土の凍結や乾燥から守ってあげましょう。
病害虫
春先にハモグリバエやアブラムシが発生しやすくなります。
大切な株を守るため、見つけ次第早めに駆除しましょう。
増やし方
種まきや挿し木で増やせます。
🌱種まき(適期:9月中旬〜10月上旬)
発芽適温は20℃前後です。種をまいたら、種が隠れる程度に薄く土をかぶせ、芽が出るまでは乾燥させないように霧吹きなどで優しく水やりをしましょう。秋にまいた苗は冬を越して、翌春には可愛らしい花を咲かせてくれます。
🌿挿し木(適期:5月下旬〜6月、9月中旬〜10月)
挿し穂(挿すための枝)には、まだ茶色く硬くなっていない(木質化していない)、新しい緑色の茎を選びましょう。
※注意: 花が咲いていた「花茎」は挿し木には向きません。
まとめ(エリシマムを長く楽しむポイント)

エリシマムは、寒さに強く、早春の寂しいお庭を明るい色彩と香りで満たしてくれる「頼もしい草花」です。上手に育てるためのポイントをまとめました。
- 基本の性質:アブラナ科の植物。別名「ウォールフラワー」。咲き進むにつれて花色が変化するマジカルな品種も魅力。
- 栽培のコツ:日当たりと風通しの良い場所を好む。酸性土壌を嫌うため、地植えなら有機石灰で調整するとベター。
- 植え付けの注意:根が繊細なので、根鉢を崩さずに植えるのが最大のポイント。
- 水やり・肥料:過湿は厳禁。土が乾いてからたっぷり与える。花期が長いため、花上がりが悪くなったら追肥を。
- 手入れ(花がら摘み):先端まで咲いたら脇芽の上でカット。こまめに切ることで次々と花が上がる。
- 夏越しの秘訣:一般的には一年草扱いだが、初夏の切り戻し(3分の1程度まで)で夏越しも可能。木質化した枝を剪定する際は、下に芽があることを確認して!
- 冬越し:寒さには強いが、凍結や強風から守るために株元をマルチングすると安心。
- 増やし方:秋の種まきや、春・秋の挿し木で増やせる。(※挿し木に花茎は使えないので注意)
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