ユーパトリウム・チョコラータは、黒みがかったダークグリーンの葉と白い花のコントラストが美しい宿根草です。花の咲く期間はひと月ほどと短いですが、シックな葉色はカラーリーフとして長く楽しめます。
ユーパトリウム・チョコラータは、暑さや寒さに強く、育てやすいのでガーデニング初心者にもおすすめです。ただし、背丈が伸びると姿が乱れやすいので、きれいな姿を保ち、花をしっかり咲かせるためには適度な切り戻しが重要です。
今回は、ユーパトリウム・チョコラータの特徴と育て方についてご紹介します。
もくじ
ユーパトリウム・チョコラータの基本情報
科名 | キク科 |
属名 | アゲラティナ属 |
分類 | 耐寒性多年草(宿根草) |
原産地 | 北アメリカ |
学名 | Ageratina altissima ‘Chocolate’ |
別名 | 銅葉フジバカマ、アゲラティナ・アルティッシマ |
花色 | 白 |
開花期 | 9〜10月 |
草丈 | 100cm〜120cm |
葉張り | 60cmくらい |
耐寒性 | 強い(マイナス20度) |
耐暑性 | 強い |
日照 | 日向〜明るい半日陰 |
*属名がアゲラティナ属に変更されましたが、以前はユーパトリウム属であったため「ユーパトリウム・チョコラータ」で流通しています。
ユーパトリウム・チョコラータの特徴
シックな葉色
ユーパトリウム・チョコラータの茎は1年を通して紫色で、シックな葉色は季節で変化します。春は銅葉で、夏から秋はダークグリーン、晩秋は黄色く紅葉します。
*紅葉は鮮やかな黄色ではありません。
白い花を咲かせる
ユーパトリウム・チョコラータは、秋にアゲラタムに似た白い花を咲かせます。白い花とダークグリーンの葉のコントラストがとても綺麗です。花が咲いても派手さはありませんが、シックな雰囲気が魅力です。
丈夫で育てやすい
ユーパトリウム・チョコラータは、暑さ寒さに強く、病害虫もほとんど見られず、丈夫で育てやすい植物です。
ユーパトリウムというと『地下茎でどんどん増えて困るのでは?』と思われるかもしれませんが、チョコラータは地下茎では増えないので安心してください。
*地下茎で増えるユーパトリウムは、コノクリニウム属に分類される植物。チョコラータはアゲラティナ属に分類され、性質が違います。
ユーパトリウム・チョコラータの栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりから明るい半日陰を好みます。(日当たりが良い方が葉色は綺麗になります。)
乾燥は苦手です。特に、夏に乾燥させると葉が傷むので、株元に西日が当たるような環境は避けたほうが無難です。(株が充実すればある程度の乾燥には耐えます。)
ユーパトリウム・チョコラータは、草丈が高くなるので地植え向きの植物です。
用土
水はけと水持ちの良い土壌を好みます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、掘り上げた庭土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んでおきます。
ユーパトリウム・チョコラータの育て方
水やり
ユーパトリウム・チョコラータは、やや湿り気のある土壌を好み、極端な乾燥は苦手です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植えの場合は、根付いてしまえば降る雨だけで大丈夫ですが、夏に日照りが続くときには水やりをしましょう。
ユーパトリウムは夏に水切れしやすく、水切れさせると葉が傷みます。夏の水切れには注意してください。
肥料
ユーパトリウム・チョコラータは、肥料をあまり必要としません。春と秋に緩効性肥料を少量与えるくらいで十分です。
植え付け
植え付けの適期は春か秋です。
植え替え
植え替えの適期は春か秋です。
(秋に植え替える場合は、花が咲き終わった頃に、草丈を三分の一程度まで切り戻して植え替えるのをおすすめします。)
鉢植えの場合は、根詰まりするようなら、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
地植えの場合は、植え替えの必要はありません。
手入れ
ユーパトリウム・チョコラータは、放任で育てると草丈が1mを越して、倒れやすくなります。また、夏に水切れしやすくなります。
秋に姿良く花を咲かせるためには、6月〜7月に地際から15cm位のところで切り戻します。
この時期に切り戻しておくことで、枝数が増え、草丈も抑えられ、開花期に綺麗な草姿でたくさんの花を咲かせます。
実際の切り戻しの様子
6月10日 草丈は80cmを超えています。
地際から15cmくらいで切り戻します。
3ヶ月後の9月20日
ボリュームのある株になって、草丈80cmで花を咲かせています。
*これより低い位置で咲かせたいなら、7月下旬にもう一度、半分くらいの丈で切り戻します。
夏越し
ユーパトリウム・チョコラータは、耐暑性が強いので夏越しは容易ですが、極端な乾燥には弱いので水切れに注意しましょう。
鉢植えは半日陰に移動すると管理が楽です。地植えは乾燥するときは水やりをしましょう。
*初夏の剪定で草丈を低くコントロールしておくと、真夏に水切れしにくく管理が楽になります。
冬越し
ユーパトリウム・チョコラータは、冬は地上部を枯らして宿根するので、落葉したら地際で切り戻します。
耐寒性はとても強く、マイナス20℃くらいまで耐えます。土が凍結するような地域では、株元を腐葉土やバーク堆肥でマルチングしておくと防寒対策になります。
病害虫
ユーパトリウム・チョコラータには、病害虫はほとんどみられません。
増やし方
ユーパトリウム・チョコラータは、株分け、挿し木で増やせます。
株分けの適期は3月〜4月です。
挿し木の適期は5月〜6月です。
まとめ
- 丈夫で育てやすい宿根草
- 花期は9月下旬〜10月(ひと月たらずしか咲きません)
- ダークグリーンの葉と白い花のコントラストが美しい
- 初夏に切り戻すと、まとまった草姿で花を咲かせる
- 地下茎では増えない
よく似た花を咲かせるユーパトリウムに「 ユーパトリウム・セレスチナム 」があります。
こちらは花期が初夏から秋と長いのが特徴です。
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