細い褐色の茎に薄紫の小さな花を咲かせる清澄白山菊(キヨスミシラヤマギク)は、庭に楚々とした風情をもたらしてくれる小菊です。
見た目は繊細ですが、実はとても丈夫で、ガーデニング初心者の方にも簡単に育てられます。
この記事では、私が6年間育てた経験をもとに、清澄白山菊の魅力と、失敗しない育て方を徹底解説します。
もくじ
清澄白山菊(キヨスミシラヤマギク)の基本情報
| 科・属名 | キク科 シオン属 |
| 分類 | 耐寒性多年草 |
| 学名 | Doellingeria scabra |
| 別名 | 清澄紺菊(キヨスミコンギク) |
| 花色 | 薄紫 |
| 開花期 | 10月〜11月 |
| 草丈 | 30〜60cm |
| 耐寒性 | 強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 日照 | 日向 |
清澄白山菊(キヨスミシラヤマギク)の特徴

11月のキヨスミシラヤマギク
清澄白山菊は、繊細な見た目に反して非常に丈夫な、魅力的な多年草です。私が6年間育てて感じた主な特徴をご紹介します。
1. 楚々とした美しい草姿
開花期:10月〜11月
花の色・形: 褐色の細い茎の先に、薄紫の小さな花を咲かせます。
色のコントラスト: 褐色の細い茎、薄紫の花、濃い緑の葉のコントラストがとても美しいです。
咲き始め: 咲き始めの花は、白地に薄紫の繊細な色合いをしています。
葉の形状: 葉は濃い緑色で、少し切れ込みが入ります。
2. 育てやすく丈夫で手がかからない
草姿の安定性: 頼りない見た目ですが、細い茎はしっかりしていて雨風で倒れ込むことはありません。
手入れの楽さ: 切り戻しをしなくても自然と枝分かれして茂り、たくさんの花を咲かせます。これといった手入れもなく、管理は楽です。
耐性: 暑さ・寒さの両方に強く、丈夫で育てやすいので初心者の方にも特におすすめです。
3. 地下茎でよく増える
地植えにすると地下茎で増えます。
いったん根付くとどんどん増えるため、環境によっては増え過ぎに注意が必要になるかもしれません。
清澄白山菊(キヨスミシラヤマギク)の栽培環境

11月 満開のキヨスミシラヤマギク
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所を好みます。
用土
肥沃で水はけの良い用土が最適です。
鉢植え:市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植え:掘り上げた庭土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込み、さらに元肥として緩効性化成肥料を施しておきます。
清澄白山菊(キヨスミシラヤマギク)の育て方

水やり
鉢植え:土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植え:自然に降る雨だけで大丈夫です。夏に日照りが続いて、乾燥するときは水やりをしましょう。
肥料
鉢植え:春と秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
地植え:植え付け時に元肥を施せば、その後の肥料はいりません。
*菊の開花を助けるには、リン酸とカリウムが多めの緩効性化成肥料を選ぶのがおすすめです。
植え付け・植え替え
植え付け時期:真夏と真冬を除けばいつでもできます。
植え替え時期:2月〜3月の芽出し直前が最適です。
鉢植えの場合(毎年必須)
清澄白山菊は生育が旺盛で、鉢の中で根がすぐにいっぱいになり(根詰まり)、生育不良を起こします。
そのため、鉢植えは毎年、新しい用土を使って植え替えましょう。
地植えの場合(連作障害に注意)
基本的に、地植えの場合は植え替えの必要はありません。
しかし、キク科の植物は同じ場所で栽培し続けると連作障害を起こすことがあります。これにより、土中の特定の養分が偏ったり、病原菌が増えたりして、病害虫の被害を受けやすくなったり、花つきが悪くなったりすることがあります。
もし、植えっぱなしの地植えの株の生育がうまくいかない場合は以下の対策を検討してください。
- 1〜2年に一度、別の場所へ植え替える
- 株の周辺の土を大きく掘り出し、新しい土に入れ替える

手入れ
清澄白山菊は、放っておいても自然と枝分かれしますが、5月〜6月に草丈の半分くらいで切り戻しておくと、枝数が増え秋にたくさんの花を咲かせます。
花が終わって地上部が枯れたら、枯れた茎は株元で切り取っておきましょう。
夏越し
暑さに強いので特別な対策はいりません。
我が家では南向きの花壇に植えています。夏は朝から午後の4時ごろまで日が当たりますが問題なく育っています。
冬越し
寒さに強いので特別な対策はいりません。

枯れた古い枝
冬に地上部が枯れたら株元で切り取ります。

枯れ枝の下で育っている冬芽
その際、株元の冬芽は残して、枯れた茎だけ切り取りましょう。
病害虫
暖かくなってくると、アブラムシやハダニが発生することがあります。
アブラムシは枝先の柔らかい部分に発生します。ハダニは葉の裏から汁を吸うので葉に小さな白い点々ができます。早めに見つけて、広がらないうちに駆除しましょう。
増やし方
清澄白山菊は、挿し木や株分けで増やせます。
挿し木:5月〜6月が適期です。
株分け:2月〜3月の芽出しの直前が最適です。
まとめ
- 10月〜11月に薄紫の小花を咲かせる多年草
- 茎の色は褐色で細い
- 日向の水はけが良い環境を好む
- いったん根付くと地下茎で増える
- 手がかからず育てやすい
- 初心者にもおすすめ
清澄白山菊は見た目は繊細ですが、実はとても丈夫な植物です。
楚々とした雰囲気は、悪目立ちせず他の植物ともよく馴染みます。あなたのお庭でも、この奥ゆかしい小菊を育ててみませんか?
▼こちらの可憐な小菊もおすすめ
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が少しでもお役に立てると嬉しいです。
*「Amazon」のアソシエイトとして、「ゆるっとガーデニング 」は適格販売により収入を得ています。

