トウテイランは、近畿〜山陰の日本海沿岸に自生する日本固有の多年草。
白に近いシルバーリーフが美しく、晩夏から秋には青紫の花を穂状に咲かせます。
暑さ寒さに強く、丈夫で育てやすい植物です。
今回はトウテイランの特徴や育て方をご紹介します。
もくじ
トウテイランの基本情報
ゴマノハグサ科 クワガタソウ属
耐寒性多年草 冬季常緑〜半常緑
原産地 日本
学名 Pseudolysimachion ornatum
別名 ベロニカ・オルナタ
花色 青紫
花期 晩夏〜秋
草丈 30〜50cm
葉張り 30〜40cm
耐寒性 強い(−20℃前後)
耐暑性 強い
日照 日向〜明るい半日陰
トウテイランの特徴
トウテイランは近畿〜山陰の日本海沿岸に自生する多年草。
シルバーリーフがとても美しく、青紫の花とのコントラストに独特の雰囲気があります。
放任でも良く分枝し、晩夏から秋にかけてたくさんの花を咲かせてくれます。
高温多湿にやや弱いと言われますが、ある程度の湿気にも耐え、暑さ寒さにも強い丈夫で育てやすい植物です。
冬は葉を落として越冬し、春にはまた芽吹きます。
*「洞庭藍」と漢字表記のラベルでも販売されています。これは青紫の花が中国の洞庭(どうてい)湖の水のように青く美しいという意味でつけられたようです。名前にランとつきますが「蘭」ではなくベロニカの仲間です。
トウテイランの育て方
栽培環境
日向〜明るい半日陰で、風通しと水はけの良い環境を好みます。
とても丈夫で、ある程度の乾燥にも湿気にも耐えてくれます。
夏は西日が当たらない場所が理想的ですが、あまり気にしなくても大丈夫。我が家では西日が当たる場所で元気に育っています。
鉢植えで育てることもできますが、地植えの方がしっくりきます。
水やり
鉢植えの場合は、用土が乾いたらたっぷりと水やりします。
地植えの場合は、根付いた後は降雨に任せます。
トウテイランは葉に細かい毛が生えているので、水に濡れると重くなり倒れてしまいます。水やりの際には上から水をかけないように気をつけましょう。
肥料
植え付け時に緩効性化成肥料を施せば、その後の肥料はほぼ不要です。
生育が思わしくない時のみ、春か秋に緩効性化成肥料を与えます。
植え付け・植え替え
植え付け
適期は春と秋です。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、用土に腐葉土や堆肥を混ぜ込んで水はけの良い環境を作ります。
粘土質の土壌の場合は、さらに軽石やパーライトなどを混ぜ込んでおきます。
植え替え
適期は春か秋(花期が終わってすぐ)です。
生育旺盛で根詰まりしやすいので、鉢植えの場合は毎年ひとまわり大きな鉢に植え替えます。
地植えの場合は植え替えの必要はありませんが、株が大きくなって勢いがなくなるようなら株分けして植え替えます。
手入れ
咲き終わった花茎は脇芽の上で切り取ります。
傷んだ葉や枯れ葉は取り除きましょう。
5月ごろに枝先を2〜3節切り戻すと、脇芽が出て、夏以降の花の量が多くなります。切り戻すことで草丈も抑えられ、倒れにくくなります。
夏越し
混み合う枝はすくように剪定して、風通し良くしておきましょう。
西日が当たる場所でも育ちますが、鉢植えは西日が当たらない場所に移動した方が無難です。
冬越し
マイナス20℃前後まで耐える、寒さに強い多年草です。
冬に地上部が枯れたら、冬芽を残して地際で刈り込んでおきます。
特別な寒さ対策は不要ですが、株元をバーク堆肥などでマルチングすると凍結防止になります。
鉢植えの場合、冬の水やりは乾燥気味に管理します。
病害虫
病気
灰色かび病にかかることがあります。傷んだ葉を見つけたら早めに取り除きましょう。
害虫
暖かい季節にアブラムシがつくことがあります。見つけ次第駆除してください。
増やし方
株分け・種まき・挿し木で増やせます。
株分けの適期は3〜4月と秋(花期が終わってすぐ)、種まきは4〜5月、挿し木は5〜6月が適期になります。
トウテイランを育てた感想
とにかく丈夫です。
まだ残暑厳しい9月の初旬に、一日中日の当たる土質も良くない場所に、開花株を植え付けたことがあります。
植え付け後に水揚げが悪かったので、半分くらいの丈まで切り戻しました。
その年は花を見ることはできませんでしたが、翌年はひと回り大きな株に育ち、たくさんの花を咲かせています。
まとめ
- 日本原産の暑さ寒さに強い丈夫な多年草(宿根草)
- 晩夏から秋にかけて青紫の花を咲かせる
- シルバーリーフがとても美しい
- 日向から半日陰の水はけの良い環境を好む
- ある程度の乾燥や湿気にも耐える
- 株分け・種まき・挿し木で増やせる
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