ノコンギク(野紺菊)はキク科シオン属の多年草。
夏の終わりから秋にかけて可憐な薄紫の花を咲かせる、日本の野山に自生する野菊のひとつです。
清楚な草姿は和風の庭やナチュラルガーデンにぴったりのアクセントになります。
暑さ寒さに強く、地植えにすれば放任でも育つので初心者の方も安心して育てられます。
今回はノコンギクの特徴や育て方をご紹介します。
現在ノコンギクの名前で流通しているものの多くは、野生種のノコンギクではなく園芸品種のコンギクがほとんどです。コンギクは紫やピンクの花を咲かせるものがあります。サイト内で使われている画像もコンギクです。
ここではノコンギクとコンギクの両方を「ノコンギク」として紹介しています。どちらも丈夫な植物で育て方は同じです。
もくじ
ノコンギク(野紺菊)の基本情報
科名・属名 | キク科・シオン属 |
分類・形態 | 草花・多年草(冬落葉) |
原産地 | 日本 |
学名 | Aster microcephalus var. ovatus |
別名 | 野菊、コンギク |
花色 | 紫、ピンク |
花期 | 8〜11月 |
草丈 | 30〜60cm |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
日照 | 日向 |
育てやすさ | やさしい |
ノコンギク(野紺菊)の特徴
ノコンギク(野紺菊)は日本の本州・四国・九州にかけて分布するキク科シオン属の多年草。
道端や日当たりの良い野原に見られる野菊のひとつで、地下茎で広がり、しばしば群生します。清楚なその姿は和風の庭やナチュラルガーデンにぴったりです。切り花としても楽しめます。
ノコンギクは冬の間は地上部を枯らしていますが、春になると芽吹き、夏の終わりから秋(11月下旬ごろ)まで薄紫色の花を咲かせます。葉や茎には毛が生えていて触るとザラザラします。
ノコンギクは暑さ寒さに強く、特別な手入れもありません。病害虫に強く、発生してもそれが原因で枯れることはないので初心者にも安心して育てられます。
ノコンギク(野紺菊)栽培環境
日当たり・置き場所
日当たりの良い環境を好みます。
花は少なくなりますが半日陰でも育ちます。
生育旺盛なので鉢植えより地植え向きといえます。ただし地下茎でどんどん広がっていくので、地植えにするなら植え付け場所はよく考えましょう。望まない場所に生えてきたら、そのつど間引きましょう。
できれば夏の西日は避けるのが理想的ですが、西日のあたる環境でも枯れることはありません。我が家では西日があたる低木の足元に植えていますが、問題なく育っています。
用土
ノコンギクは肥沃で水はけの良い土壌を好みます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、掘り上げた庭土に腐葉土を混ぜ込んでおきます。
ノコンギク(野紺菊)育て方
水やり
ノコンギクは適湿を好みます。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植えの場合は、根付いてしまえば降る雨だけで大丈夫です。
肥料
ノコンギクはあまり多くの肥料を必要としません。
鉢植えには、春から秋にかけて規定量に薄めた液体肥料を月に一回程度与えます。
植え付け・植え替え
植え付け
植え付けの適期は春ですが、ポット苗は真夏と真冬を除けばいつでも植え付けできます。
植え替え
植え替えの適期は春です。生育旺盛なので鉢植えは根詰まりしやすいです。鉢の底から根が覗くようになったら、ひと回り大きな鉢に植え替えるか株分をしましょう。地植えは植え替えの必要はありません。
手入れ
花がらを摘まなくても花は次々と咲きますが、花がらが気になるようなら花がら摘みをしましょう。
低めに咲かせたい場合は、6月ごろに3分の1くらい残して切り戻しておきましょう。
夏越し
暑さには強いので特別な対策はいりません。鉢植えは西日が当たらない場所に移動しましょう。
冬越し
冬になって葉が枯れたら、地際で切り戻しておきます。
寒さに強いですが、地植えの株は株元をバーク堆肥などでマルチングしておくと凍結対策になります。
鉢植えは軒下のような場所に移動しておきましょう。
病害虫
病気はほとんど見られません。
害虫はハダニやグンバイムシが発生することがあります。大量に発生しなければこれが原因で枯れることはありません。
ただし、葉が白くかすれたようになったり、表面に小さな穴が開いたりして見た目が悪くなります。見つけたら早めに駆除しましょう。
増やし方
ノコンギクは株分けや種まき、挿し木でも増やせます。
株分けの適期は春、種まきの適期は2月ごろ、挿し木の適期は5月から6月ごろです。
まとめ
- 本州・四国・九州に分布するキク科の多年草
- 夏の終わりから秋にかけて薄紫の花を咲かせる
- 園芸品種のコンギクは紫とピンクの花色がある
- 日当たりを好む
- 地下茎を横に伸ばしてよく広がる
- 株分け、種まき、挿し木で増やせる
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