フェンネルは、古代ギリシャ・ローマ時代から、葉・花・茎・種子が食用や薬用に利用されてきたハーブ植物。
繊細な葉がサラダやスープに使われているのをよく見かけます。
実はフェンネルは、初夏から咲く黄色い小花が可愛らしく、花壇に取り入れると自然な雰囲気を演出してくれるんです。
特に銅葉のブロンズフェンネルは庭のアクセントになります。
今回は、食用だけでなく観賞用にもおすすめのハーブ、フェンネルを紹介します。
もくじ
フェンネルの基本情報
セリ科 ウイキョウ属
耐寒性多年草
原産地 南ヨーロッパ
学名 Foeniculum vulgare
別名 ウイキョウ
花色 黄色
花期 6月中旬〜8月
草丈 1〜2m
耐寒性 普通
耐暑性 強い
日照 日向
フェンネルの特徴
![フェンネルの花](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/02/a92ae3b75e2937d00e5fc40e3605a46a.jpg)
我が家では9月中旬になっても花を咲かせています
フェンネルは、糸状に細かく裂けたふわふわの葉に、小さな黄色の小花を長期間咲かせます。
成長すると1m以上になる大型の植物で、暑さ寒さに強く育てやすい多年草です。
全体に甘い独特な香りを持ち、古代ギリシャ・ローマ時代から、葉・花・茎・種子が食用や薬用に利用されてきました。
日本では平安時代からウイキョウとして、漢方薬に使われていたそうです。
フェンネルの品種
次の3品種があります。
①スイートフェンネル
フェンネルの基本種で黄緑色の葉をしています。
香りが強く、主に葉と種子、花が食用や薬用に利用されます。
②フローレンスフェンネル
株元が肥大する変種で、肥大した部分は生でサラダに、煮込んでスープなどに利用されます。
葉、花、種子も食用に利用されます。
フローレンスフェンネル は一年草で、草丈は1m未満とややコンパクトです。
③ブロンズフェンネル
![ブロンズフェンネルの葉](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/02/4a3ba2c5eb34888cb9fd55206e1a7f69.jpg)
1月のブロンズフェンネル
ブロンズフェンネルは銅葉の園芸品種で、食用の他、観賞用に利用されます。
赤黒い茎や葉は存在感があり、庭に取り入れると良いアクセントになります。
他の品種に比べて耐寒性がやや強いです。
フェンネルの利用法
<葉>
葉の収穫期は4月〜11月で、生でサラダの風味づけや煮込み料理に使われます。
魚と相性が良いので、魚のハーブとも呼ばれています。フェンネルが魚料理の生臭さや脂っこさを消してくれます。
*草丈20cm以上になったら、若い葉の先端が利用できます。
<種子>
種子の収穫期は7月〜10月で、薬味・ハーブティー・菓子に利用されます。
<花>
花はサラダに利用されます。
フェンネルの育て方
栽培環境
日当たりと水はけ、風通しの良い、肥沃な環境を好みます。
日当たりの悪い場所だと、徒長して弱々しい株になり、花もあまり咲きません。
成長すると1〜2mになるので地植え向きです。
鉢植えで収穫用に栽培する場合は、野菜のプランターのような深めの鉢に植え付けましょう。
水やり
鉢植えの場合は、表土が乾いたらたっぷりと水やりします。
地植えの場合は、根付いてしまえば水やりの必要ありませんが、夏に晴天が続く時は水やりしてください。
高温乾燥は苦手です。乾かしすぎないように気をつけましょう。
冬は乾燥気味に管理します。
肥料
フェンネルは肥沃な土を好みます。
地植えの場合は、植え付け前に肥料を施せば、その後の肥料はほぼ不要です。
鉢植えでは、春と秋に緩効性化成肥料を置き肥します。
![花壇の背景にブロンズフェンネル](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/02/210919-buronz-fennel.jpeg)
花壇の背景になっているブロンズフェンネルの葉と黄色い小花
植え付け
4〜5月か9〜10月が適期です。
地植えの場合は、植え付け1週間くらい前に、堆肥と有機肥料、苦土石灰を施して深く耕しておきます。
鉢植えの場合は、市販のハーブの土や野菜の土で問題なく育ちます。
フェンネルは直根性で、植え替えを嫌うので、根鉢を崩さないように優しく扱ってください。
手入れ
背丈が高くなるので、70cmくらいになったら支柱を立てましょう。
葉を食用する時は、柔らかいうちに収穫します。
収穫を兼ねて花茎を切り取ると、再び若い葉が茂り、長い間収穫できます。
![ブロンズフェンネル とセミの抜け殻](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/02/210710-buronzfennel.jpeg)
7月の庭 ブロンズフェンネルとセミの抜け殻
夏越し
台風に備えて支柱をしましょう。
高温乾燥は苦手なので、乾かしすぎないように注意しましょう。
冬越し
温暖な地域では地上部は矮性化して残ります。寒地では地上部は枯れます。
冬の鉢植えは、乾燥気味に管理しましょう。
病害虫
夏から秋にカメムシやアゲハ蝶の幼虫がつくことがあります。見つけ次第捕殺しましょう
増やし方
![ブロンズフェンネルのこぼれだね](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/01/220130-buronnzufenneru.jpeg)
1月 発芽したブロンズフェンネルのこぼれ種
種まきで増やせます。
適期は3〜5月と9〜10月です。
植え替えを嫌うので、地植えの場合は育てたい場所に直まきします。
ポットに種まきした場合は、植え付け時に根鉢を崩さないように、優しく植え付けてください。
環境が合えば、こぼれ種で良く増えます。
フェンネルとディルの違い
フェンネルによく似たハーブにディルがあります。どちらもセリ科のハーブで、花も葉もとてもよく似ています。
違いを表にまとめたので参考にしてください。
フェンネル | ディル | |
形態 | 多年草 | 一年草 |
草丈 | 1〜2m | 60cm〜1m |
開花期 | 6月中旬〜8月 | 5月〜7月 |
香り | 甘味のあるすっきりとした香り | すっきりとした香り |
用途 | 魚料理・サラダ・ハーブティー・菓子 | 魚料理・ピクルス・マリネ・パン・ソーセージ |
*フェンネルとディルは交雑しやすいので、自宅で栽培する際は近くに植えないようにしましょう。
まとめ
![花壇のブロンズフェンネル](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2022/02/210912-westgarden.jpeg)
右上の黄色い小花がフェンネル
- セリ科のハーブで繊細な葉と黄色い花が特徴
- 日当たりと水はけ、風通しの良い肥沃な環境を好む
- 葉・花・茎・種子が食用に利用される
- 銅葉品種のブロンズフェンネルは庭で良いアクセントになる
- 移植を嫌うので、根鉢を崩さないように植え付ける
- 初心者でも育てやすい
最後までご覧いただきありがとうございました。
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