ビバーナム・ティヌスは、暑さ寒さに強く刈り込みにも耐える丈夫な常緑低木。
和風の庭にも洋風の庭にも合うので、近年人気が出てきています。
春には白い花を咲かせ、条件が合えば秋に光沢のある青い実がなります。
ただし、剪定の時期を間違えると翌年花が咲かないことがあるので、剪定時期には注意が必要です。
正しい剪定時期は花後すぐの5月下旬から6月です。
今回はビバーナム・ティヌスの特徴や育て方をご紹介します。
もくじ
ビバーナム・ティヌスの基本情報
スイカズラ科ガマズミ属
常緑低木
原産地 地中海沿岸(原種の主な自生地)
学名 Viburnum tinus
別名 トキワガマズミ
花色 白
花期 3月下旬〜5月中旬
樹高 2m前後(剪定で1mに抑えることが可能)
耐寒性 強
耐暑性 強
日照 日向〜やや半日陰
ビバーナム・ティヌスの特徴
暑さ寒さに強く、どこで切ってもわき芽から新枝が伸び、かなり強く剪定しても枯れ込むこともないので生垣にも使えます。
病気や害虫に関しても特に気にする必要がなく、とにかく大変丈夫な植物です。
日向から半日陰を好みますが、ある程度の耐陰性があるので日陰の庭でも育ちます。
ビバーナム・ティヌスは放任で育てると2m前後になるので地植えがおすすめです。
ビバーナム・ティヌスの葉は?
常緑の葉は濃い緑色で、肉厚でしっかりとしています。
柔らかい印象ではありませんが、和風の庭だけでなく洋風の庭にも合います。
ビバーナム・ティヌスの花は?
ピンク色の蕾から白い花を咲かせます。
蕾と白い花が混ざる咲き始めの時期がとても可愛いです。
花には香りがありますが、あまり良い香りではないので好みが分かれるところです。
しかし、近づかなければ気がつかない程度の香りなので、ずっとその場所にいるのでなければ気にはならないと思います。
ビバーナム・ティヌスの実は?
秋に光沢のある青い実をつけます。
この実は鑑賞価値が高く、花材として流通します。
ただし、開花した花が必ず結実するわけではありません。
実の数は花の数よりかなり少ないか、条件によっては実がならないので、あまり期待しない方が良いです。
我が家では実がなるのは稀です。
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ビバーナム・ティヌスの育て方
栽培環境
日向から半日陰まで育ちます。
ただし、日向の方が花上がりが良く、病気や害虫の発生も少なくなります。
肥沃で水はけの良い土が理想的ですが、粘土質でなければ育ちます。
水やり
鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたらたっぷりと水やりします。
地植えの場合は、水やりはほぼ不要で降雨に任せて大丈夫です。
植え付け・植え替え
植え付け
適期は2月下旬〜3月と、9月下旬〜11月です。
鉢植えの場合は、草花用培養土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、根鉢の2〜3倍の穴を掘って、掘り上げた土に腐葉土や堆肥を混ぜ混み、水はけの良い環境を作ります。
植え替え
適期は2月下旬〜3月と、9月下旬〜11月です。
鉢植えは根詰まりしているようならひと回り大きい鉢に植え替えます。
地植えの場合は植え替えの必要はありません。
肥料
鉢植えの場合は、春と秋、それと花後に緩効性化成肥料を与えます。
地植えの場合は、1月〜2月の間に寒肥として緩効性化成肥料、または固形の油粕を株の周りに埋め込みます。
剪定
ビバーナム・ティヌスは、花後すぐの5月下旬〜6月に剪定します。
剪定は樹形を乱す枝を切る程度の「透かし剪定」が基本になります。
ビバーナム・ティヌスは夏になるとすぐに翌年の花芽が作られます。夏以降に剪定すると翌年の花芽を落としてしまうことになり、翌年の花付きに影響が出てしまいます。
ビバーナム・ティヌスは自然と樹形が整うので、剪定は伸びすぎた枝や絡んだ枝、徒長枝を切り落とす「透かし剪定」がおすすめです。
透かし剪定することで日当たりや風通しが良くなり、樹木を健康に育てることができます。
とはいえ、数年育てていると2mを超えるので、全体的にコンパクトにしたくなることがあります。その場合は花後すぐに任意の高さで剪定すれば樹高を抑えて翌年も花を楽しめます。
*花を咲かせる事にこだわらないのなら、真夏と真冬を除けばいつでも剪定できます。
夏越し・冬越し
耐暑性・耐寒性は強いので、特別な対策はいりません。
病害虫
これといった病気は見られません。
害虫は春から夏にハムシが発生することがあります。見つけ次第殺虫剤などで駆除します。
*我が家でもハムシは発生しますが、大きな被害になることはありません。
増やし方
6月から7月(梅雨時期)に挿し木で増やせます。
我が家のビバーナム・ティヌス
我が家のビバーナム・ティヌスは大きなオリーブの木の東側に植えてあります。
南側には建物があるので、朝日が当たる時間以外はほぼ日陰になっていました。
それでも日が当たる方向に枝を伸ばし、その枝にはたくさんの花を咲かせます。
写真は10月下旬に剪定したビバーナム・ティヌスの3ヶ月後の様子。
10月の剪定は遅すぎるのですが、ひと回り小さくしたくて花は諦める覚悟で剪定に踏み切りました。
短い枝は切らずに残したので、3ヶ月後には思ったよりたくさんの蕾がついていました。
*翌年オリーブが枯れて日当たりが良くなると、花数が5倍くらい増えました。花を咲かせるなら日当たりは大事ですね。
ビバーナムのおすすめ品種
ビバーナムには他にもいくつか品種がありますが、その中でも「ビバーナム・スノーボール」は花が美しく人気が高い品種です。
ビバーナム・スノーボールは落葉樹で、葉はティヌスと違って柔らかい雰囲気。紫陽花に似た白い花を咲かせます。
花期はティヌスより少し遅くて4月中旬からです。
▼詳しくはこちらのリンクから
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