穂咲きナナカマドという植物をご存じですか?
春の新芽、初夏の花、秋の赤い実、紅葉と一年を通して目を楽しませてくれる鑑賞価値の高い低木です。
その中でも、‘セム’という品種は小型で樹高がコンパクトにまとまり、扱いやすい品種です。
この記事では、穂咲きナナカマド‘セム’の特徴や育て方を紹介したいと思います。
もくじ
穂咲きナナカマド・セムの基本情報
バラ科 ホザキナナカマド属
耐寒性低木/落葉樹
原産地 日本
学名 Sorbaria sorbifolia sem
花色 白
花期 初夏
樹高 1m
耐寒性 強
耐暑性 強
日照 日向〜半日陰
![穂咲きナナカマド・セムの花](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/1ec7c31e0fbebe90102d261e4dd6bf16-1-1024x858.jpg)
6月5日 我が家の庭から
穂咲きナナカマド・セムの特徴
新芽と紅葉が美しい
赤みを帯びた新芽がとても美しく、
オレンジ→黄色→明るいグリーンへと変化していきます。
秋には黄色に紅葉します。
とても美しい紅葉です。
白い花が穂状に咲く
初夏には白い花を穂状に咲かせます。
蕾がたくさんある咲き始めの頃がとても可愛くて、
個人的にはこの頃の花が一番好きです。
花後に花茎を切り戻すと、
新芽が伸びて秋まで繰り返し咲きます。
赤い実がなる
花後に切り戻さずそのままにしておくと、秋に赤い実がなります。
樹高がコンパクト
‘セム’は小型の改良種で樹高が1mくらいにしかなりません。
剪定で60cmくらいに抑えることもできます。
地下茎で増える
地際からたくさんの芽を出し、
株立ち状になり横へ横へと広がっていきます。
生育旺盛でたくさん芽が出てくるので、
植え付ける場合はそれなりのスペースが必要になります。
地植えに向いています。
鉢植えはあまりお勧めできません。
丈夫で育てやすい
暑さ寒さに強くて、病害虫も見られず、あまり手もかからないので育てやすい低木です。
![新芽が美しい穂咲きナナカマド](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/c06e70ae3970dfaa81a8ede5859265f2-1-1024x683.jpg)
4月5日 新芽が美しい
![穂咲きナナカマドの花](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/c3f3dfbacdf75cb190fcea6d935a9576-901x1024.jpg)
6月5日 花が咲き始めました
![穂咲きナナカマドの紅葉](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/f49c7b34faae6eca30422fe0907e73c5-1024x683.jpg)
11月18日 紅葉が始まっています
穂咲きナナカマド・セムの育て方
栽培環境
日当たりが良く、水はけの良い環境を好みます。
丈夫な植物で日向〜半日陰まで育ちますが、
日向に植えるのをお勧めします。
日向の方が葉の色が綺麗に出て、
花上がりも良いからです。
強乾燥を嫌うので、
乾燥しすぎない場所に植え付けた方が夏の管理が楽です。
水やり
地植えは降雨に任せます。
強乾燥は苦手なので、
夏に乾燥するようなら水やりします。
*水切れさせると下葉がパラパラ落ちてきます。
植え付け
落葉期の12月〜3月です。
庭植えの場合は、
根鉢の2〜3倍の穴を掘って、
掘り上げた土に腐葉土を混ぜ込んで、
水はけの良い環境を作ります
*ポット苗は真夏を避ければいつでも植え付け可能です。
鉢植えの場合は、草花用培養土に植え付けます。
成長が早く地下茎で広がっていくので、
鉢植えはお勧めできません。
いずれ庭に植え替えるようになります。
植え替え
落葉期の12月〜3月です。
この時に地際から出た芽を掘り上げて植え付け、増やすこともできます。
肥料
冬場に(1〜2月)寒肥として固形の油粕や骨粉を
株の周りに埋め込みます。
*油粕と骨粉を混ぜて固形にした便利な商品があります。
小袋もあって使いやすいのでお勧めです。
剪定
樹形を整える剪定は、落葉期に行います。
花はその年に伸びた枝先に咲きます。
春〜夏の間に剪定をすると、花が咲かなかったり、
少なくなったりしてしまうので気をつけてください。
落葉期以外はなるべく自然樹形で育てる方が、
花や実が楽しめます。
咲き終わった花を切ると
新芽が伸びて秋まで繰り返し咲きます。
実を楽しみたい場合は
花が終わったらそのままにしておきます。
夏越し
耐暑性が強いので特に対策はありませんが、強乾燥を嫌うので日照りが続く時には庭植えにも水やりしてください。
水切れすると下葉がパラパラ落ちてきます。
冬越し
耐寒性が強いので、特に対策はありません。
病害虫
病害虫はほとんど見られません。
増やし方
株分け、挿し木で増やせます。
おすすめは、株分けです。
地際からたくさんの芽を出します。
この芽を掘り上げて植え付けるのが一番簡単です。
適期は落葉期です。
*真夏を除けば、他の時期でも出来ないことはありませんが、
落葉期に行うのが一番確実で管理も楽です。
挿木の適期は5月〜6月です。
最後に
穂先ナナカマド・セムは、
春の新芽、夏の花、秋の紅葉と一年を通して魅力のある低木です。
丈夫で扱いやすいので初心者の方も育てやすいと思います。
画像は昨年の我が家の11月の紅葉の様子です。
黄色く紅葉した穂咲きナナカマド・セムと、鮮やかな赤に紅葉したバーベリス ・オレンジロケットとのコントラストがとても綺麗でした。
![穂咲きナナカマドとバーベリス ・オレンジロケットの紅葉](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/02d108d4898cf141ad8643422defbbb3-1024x683.jpg)
11月19日 黄色の葉が穂咲きナナカマド・セム
![バーベリス の紅葉](https://hanawarau.com/wp-content/uploads/2021/01/c787abf69e8bdc93d9b3e614a1d9435e-1024x683.jpg)
手前の鮮やかな赤い葉は、紅葉したバーベリス ・オレンジロケット
バーベリス ・オレンジロケットの育て方はこちらから
バーベリス‘オレンジロケット’は紅葉が美しすぎる落葉低木【メギ】
今日も最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が少しでもお役に立てると嬉しいです。