お庭に軽やかで優雅な動きを加えたいなら、イネ科の多年草「スティパ・エンジェルヘアー」がおすすめです。
まるで天使の髪のように柔らかな細い葉と、初夏から秋にかけてキラキラと輝く白い穂が特徴。風に揺らぐその姿は、お庭に爽やかなリズムと幻想的な雰囲気をもたらします。
単独で鉢植えにすると見応えがあり、地植えで他の植物を引き立てることもできる、使い勝手の良いグラスです。
こぼれ種で増えますが、小さなうちに間引けば心配ありません。
手間いらずで丈夫なスティパ・エンジェルヘアーの特徴や育て方を、この記事で詳しくご紹介します。あなたのお庭に風と光の魔法を取り入れてみませんか?
もくじ
スティパ・エンジェルヘアーの基本情報

4月下旬の庭から
| 学名 | Stipa tenuissima‘Angel Hair’ |
| 科名・属名 | イネ科・ナセラ属 |
| 分類 | 耐寒性多年草(冬季半常緑〜落葉性) |
| 原産地 | 中央アメリカ |
| 穂の色 | 白 |
| 開花時期 | 初夏〜秋 |
| 草丈 | 50〜80cm |
| 耐寒性 | 強い(マイナス15℃程度) |
| 耐暑性 | 強い |
| 日照 | 日向 |
| 用途 | 庭植え・鉢植え |
スティパ・エンジェルヘアーの特徴

太陽の光に穂がキラキラ輝いて美しい
スティパ・エンジェルヘアーは、その葉も穂も格別に美しく、お庭の洗練されたアクセントとなるオーナメンタルグラスです。
- 風と光が生み出す涼やかなリズム:淡い緑色の極細で柔らかな葉は、そよ風にそっと揺らめき、お庭に爽やかで心地よいリズムを生み出します。
- 輝くエンジェルヘアー: 初夏から秋にかけて現れる白っぽく透き通るような穂は、太陽の光を受けるとキラキラと輝き、まるで小さな光の粒が舞っているかのような幻想的な美しさです。
- 植栽のヒント: 穂が出始めると、その葉と穂が噴水のように四方に優雅に広がるのが特徴です。そのため、周りに植える植物は、草丈60cm以上のやや大きめのものを選ぶと、バランスよく、その魅力を最大限に引き立てることができます。
- 手軽さも魅力 :手間がかからず丈夫で育てやすく、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。また、こぼれ種で自然に増えていくため、年々景色が豊かになっていくのも大きな魅力の一つです。
スティパ・エンジェルヘアーの育て方

5月の庭から
栽培環境
スティパ・エンジェルヘアーは、日当たりと水はけの良い土壌を好みます。
- 日当たり:年間を通して十分な日光が当たる場所を選びましょう。
- 風通しと湿度:多湿な環境にはやや弱いため、風通しの良い場所で育てるのが最適です。
水やり
スティパ・エンジェルヘアーは、乾燥気味を好みます。
鉢植えは、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植えは、根付いてしまえば降雨のみで大丈夫です。
肥料
スティパ・エンジェルヘアーは、痩せ地でも育つので、多くの肥料は必要ありません。
鉢植えのみ、春と秋に少量の緩効性化成肥料を置き肥します。

4月の庭 植え付けてひと月で草丈50cmに育ちました
植え付け・植え替え
スティパ・エンジェルヘアーは非常に丈夫な性質を持っているため、植え付けや植え替えの時期は比較的柔軟に対応できます。
基本的に、植物への負担が少ない活動期を選びましょう。
理想的な時期
- 春:3月〜5月
- 秋:9月〜10月
極端な暑さや寒さは株に大きなストレスとなります。ただし、真夏(7月下旬~9月上旬)と真冬(12月~2月)を避ければ、植え付け・植え替えは問題なく行うことができます。
植え付け
鉢植えは、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植えは、掘り上げた土に腐葉土を混ぜ込み、水はけの良い環境を作って植え付けます。
植え替え
鉢植えは、根詰まりしているようなら、ひと回り大きな鉢に植え替えるか株分けします。
地植えは、植え替えの必要はありません。ただし、大株になると中心部が枯れてくることがあるので、その場合は株分けして植え替えます。
*株分けした株、大株になった株を植え替える場合は、株元で切り戻して植え替えた方がその後に生育に失敗がありません。

6月の庭 朝日に輝く穂
手入れ
枯れた穂が多くなって見苦しいようなら、何本かまとめて握り、引っ張れば簡単に抜けます。
面倒なら、株元(地際から7〜8cm)で刈り込みましょう。すぐに新しい葉が出てまた綺麗に茂ってくれます。
- 大株になると中心部が枯れて見苦しくなることがあります。
- 切り戻してもきれいに生え揃わない場合は、新しい株に植え替えるのがおすすめです。
- こぼれ種がたくさん出るので、掘り上げて植え替え用にポットで育てておくと便利です。
夏越し
多湿な環境はやや苦手ですが、枯れるほど弱ることはありません。
地植えで葉が茂りすぎている株は、梅雨明けまでに株元で短く切り戻しておきましょう。
冬越し
寒さに強く、雪や霜でもあまり傷みません。地域によっては常緑で冬を越します。
ただし、冬の間に枯れ葉が増えて見苦しくなるので、2月下旬までには株元で刈り込んでおきましょう。しばらくすると新しい葉が綺麗に出揃います。
病害虫
特にはみられません。

9月の庭 こぼれ種が発芽して成長している
増やし方
種まき、株分けで増やせます。こぼれ種でもよく増えます。
- 種まき:適期は3月〜4月と9月〜10月です。発芽にはひと月ほどかかります。
- 株分け:適期は3月中旬〜4月と9月下旬〜10月です。
- こぼれ種:8月ごろから発芽します。とても細い葉なので雑草との見分けはつきます。
まとめ
- 柔らかな細い葉と透き通るような穂が美しいグラス
- 日当たりと水はけの良い環境を好む
- 多湿に気をつければ、手がかからず丈夫で育てやすい
- 茂りすぎたら切り戻しでリセットできる
- こぼれ種でよく増える
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