ノリウツギ・ミナヅキは、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。日本原産で、全国各地に分布しています。
アジサイの仲間ですが、花房が円錐形でアジサイとは趣が異なり、開花はアジサイよりも遅く初夏から盛夏です。そのため花が少ない夏にはありがたい樹種です。
花が咲き終わった後も秋まで長い間楽しめ、切り花やドライフラワーとしても利用できます。
ノリウツギ・ミナヅキを育てている方から
うまく育たない。
剪定方法がよくわからない。
という声をよく聞くので、育て方や剪定時期、剪定方法をまとめました。
今回はノリウツギ・ミナヅキの特徴や育て方をご紹介します。
もくじ
ノリウツギ・ミナヅキの基本情報
アジサイ科アジサイ属
耐寒性低木 落葉樹
原産地 日本
学名 Hydrangea paniculata ‘minaduki’
別名 ピラミッドアジサイ
花色 白
花期 初夏〜盛夏
樹高 2m弱
耐寒性 強い
耐暑性 強い
日照 日向〜やや半日陰
ノリウツギ・ミナヅキの特徴
円錐形の美しい花房
初夏になると、長く伸びた枝先に花を円錐形の房状に咲かせます。
蕾はグリーンで徐々にクリーム色に変わり開花します。花は咲き進むとピンク色に変化し、秋頃まで楽しめます。寒冷地では秋の低温に当たると、とても綺麗なピンクに色づきます。
アジサイの仲間ですが、花の色は土質の影響を受けることはありません。
育てやすい落葉低木
ノリウツギ・ミナヅキは日本各地に自生するノリウツギの改良品種で、耐寒性・耐暑性が強く全国で栽培可能です。
樹高は2m弱ですが、剪定によっては1m程度にできるので、鉢植えで育てることもできます。
ノリウツギは、春に伸びた枝先に花を咲かせる新梢咲きなので、剪定は花後から冬まで可能です。
晩秋には葉が黄色く紅葉し、冬は落葉します。
ノリウツギの改良品種に、花上がりが良い『ライムライト』があります。『ライムライト』は蕾がグリーンで、ライムがかったクリーム色に変化します。
他にもノリウツギには花色がピンクがかった品種など、近年数品種が出回っています。
ノリウツギ・ミナヅキの育て方
栽培環境
日当たりと水はけの良い場所を好みます。ただし、乾燥は苦手で、多少湿り気がある方が育ちが良いです。
半日陰でも、1日に数時間日光が当たれば十分開花します。
夏の西日はできれば避けたいですが、西日が当たる場所でも枯れることはありません。ただし乾燥には注意しましょう。
水やり
ノリウツギ・ミナヅキは乾燥が苦手です。水切れには注意しましょう。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりしましょう。
地植えの場合は、植え付けから2年以上たてば雨のみで大丈夫です。ただし、夏に雨が少なく土が乾くようなら水やりしましょう。
肥料
早春(3〜5月)に緩効性化成肥料を与えます。
植え付け
植え付け適期は落葉期の11月〜3月です。
土質はあまり選びませんが、水はけが良く有機質の多い土の方がよく育ちます。
鉢植えの場合は、市販の草花用培養土か、アジサイの土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、庭土に腐葉土を混ぜ込み、水はけの良い環境を作ります。さらに元肥として緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきましょう。
植え替え
植え替え適期は落葉期の11月〜3月です。
鉢植えの場合は、根詰まりするようならひと回り大きな鉢に植え替えます。
*落葉期以外に購入した苗が根が張りすぎて土がすぐに乾いてしまうような場合は、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。その場合は根鉢を崩さずに植え替えてください。
地植えの場合は植え替えの必要はありません。
剪定
ノリウツギ・ミナヅキは春に伸びた枝先に花が咲く新梢咲きです。
剪定は、花が咲き終わった秋から葉が落葉する休眠期に行います。
剪定の方法によって、樹形や樹高、花の大きさ、花の数が変わってくるので、好みの剪定方法を選びましょう。
強剪定
地際から数節残して切り戻します。
強剪定とは、大きくなり過ぎた株をコンパクトな樹形にするために、株元で切る剪定です。
花数は減りますが、ひとつひとつの花が大きくなります。
花丈が揃い放射状の美しい樹形になります。
樹高を1m前後に抑えることができます。
弱剪定
枝の先端を軽く切り戻します。
古い枝を残すことで、翌春の新枝がたくさん出ます。
花は小さめですが、たくさん咲きます。
弱剪定をした場合、樹高は2m近くになることもあります。
夏越し
耐暑性は強いですが、乾燥に弱いので水切れさせないように気をつけましょう。
鉢植えの場合は、水枯れしないように1日に2回程度水やりします。
地植えの場合は、雨が少なく土が乾くときは水やりしてください。
冬越し
耐寒性は強いので特に対策は必要ありません。
病害虫
ほとんど見られません。
増やし方
挿し木や株分けで増やせます。
挿し木
適期は3月〜4月と6月下旬〜7月上旬です。
3月〜4月に使う挿し穂は前年に伸びた枝を使います。この時期に挿し木をするなら、前年は弱剪定にしておいて、前年に伸びた枝を残しておく必要があります。6月下旬から7月上旬に使う挿し穂は、今年伸びた新しい枝を使います。
株分け
適期は落葉期の11月から3月です。ただし寒冷地の場合は3月から4月に行います。
我が家のノリウツギ・ミナヅキ
我が家の庭は、土壌が乾燥気味なのでノリウツギの地植えには向きません。そのため鉢植えで育てています。
剪定方法が違うと樹形がどう違ってくるのか、2枚の写真を見ていただくとわかると思います。
実は上手に弱剪定できたことがなくて、これは下手な弱剪定ですがご了承ください。
弱剪定した株はなんとも格好悪い樹形です。
3月の初めに強剪定した株です。こんなに綺麗な放射状になりました。
日向で育てていますが、夏は明るい半日陰に移動します。
まとめ
- アジサイが終わる初夏頃から花く
- 房状に咲くクリーム色の花が華やか
- 花後も鑑賞価値が高い
- 日向〜やや半日陰でを好む
- 夏の西日はできれば避けたい
- 乾燥した土壌は苦手で、多少湿り気がある方が育ちが良い
- 新梢咲きなので剪定時期を選ばない
- 耐寒性・耐暑性が強く全国で栽培可能
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