細く長い葉をフワッと広げるカレックスは、風にそよぐ美しい姿と、銅葉、黄金葉、斑入りなど豊富な葉色のバリエーションが魅力のオーナメンタルグラスです。
性質はとにかく丈夫で、幅広い環境で育つため、ガーデニング初心者にもおすすめです。
今回は、カレックスの特徴や育て方、おすすめ品種をご紹介します。
もくじ
カレックスの基本情報

紫色のゲラニウムと相性の良い「エヴァリロ」
| 学名 | Carex |
| 科名・属名 | カヤツリグサ科 スゲ属 |
| 分類 | 耐寒性多年草(冬季常緑〜半常緑) |
| 原産地 | 日本を含む世界中に広く分布する |
| 花色 | 白 |
| 開花時期 | 4月〜6月上旬 |
| 草丈 | 25cm〜100cm |
| 耐寒性 | 普通〜強い |
| 耐暑性 | 強い |
| 日照 | 日向〜日陰 |
カレックスの特徴

寄せ植えの「アウバウム」
カレックスは、細く長い葉が特徴のグラス植物です。
冬も葉を茂らせる常緑品種が多く、その性質はとにかく丈夫。幅広い環境で育てることができます。
葉色は、緑葉から黄金葉、銅葉、赤葉、斑入り葉までバリエーションが非常に豊富です。地面から放射状に伸び、葉先を優雅に枝垂れさせる美しいフォルムと相まって、オーナメンタルグラスとして広く親しまれています。
4月〜6月上旬に穂状に小さな白い花を咲かせますが、花の鑑賞価値は高くなく、主に葉の美しさを楽しむ植物です。
カレックスは、株の根元から新しい茎が出て株全体が大きくなっていきます。
栽培難易度は低く、初心者でも簡単に育てられるのが魅力です。
カレックスのおすすめ品種
エバーゴールド
黄色い斑が入る品種で、べアーグラスとも呼ばれます。
草丈は40cm前後です。
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エヴァリロ
鮮やかな黄金色の葉が一年中楽しめる品種。庭に明るい彩りを加えてくれます。
草丈は40〜50cmです。
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コマンス
葉が糸のように細く、葉先が柔らかくカールする品種。穂はほとんど目立ちません。
淡い緑葉の「フロステッドカール」、銅葉の「ブロンズカール」があります。
草丈は25cm前後です。
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アウバウム
銅葉の葉がシックな雰囲気の品種。穂はほとんど目立ちません。
草丈は45cm前後です。
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エラータオーレア
カレックスの中でも葉色の明るさ、美しさが特に際立つ品種。水辺のような多湿な場所に強いが、軽い乾燥でも問題なく育つ、栽培場所を選ばない丈夫さがあります。
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カレックスの育て方

初夏の庭 地植えの「アウバウム」
栽培環境
日向から日陰で、水はけの良い土壌を好みます。
白い斑が入る品種は、強い日差しで葉焼けするので半日陰で育てましょう。
銅葉や黄金葉の品種は、日照不足で発色が悪くなるので日向で育てましょう。
根が強く張るので地植え向きの植物です。鉢植えは根詰まりするようになったら庭に下ろすのも良いでしょう。
水やり
極端な乾燥と過湿は苦手です。
乾かしすぎると葉先が枯れ込むので、夏場は水切れに注意が必要です。
鉢植え:土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るくらいたっぷりと水やりをします。
地植え:根付いたら降る雨だけでほぼ大丈夫です。

1月 寄せ植えの「フロステッドカール」
肥料
痩せ地でも育つので、肥料はあまり必要としません。
植え付け時に緩効性化成肥料を施せば、その後の肥料は不要です。
植え付け・植え替え
3月〜4月上旬が植えつけ・植え替えの適期です。この時期に株分けもできます。
*寒冷地でなければ秋に植え付けても問題なく育ちます。
植え付け
鉢植え:市販の草花用培養土で問題なく育ちます。
地植え:掘り上げた土に腐葉土を混ぜ込み水はけの良い環境を作ります。さらに元肥として緩効性化成肥料を施します。
植え替え
鉢植え:根詰まりするようなら、ひとまわり大きい鉢に植え替えるか春に株分けします。
地植え:植え替えの必要はありません。大株になって混み合うようなら、春に株分けして植え替えましょう。

鮮やかな黄金色の「エヴァリロ」
手入れ
枯れ葉を取り除くくらいですが、気にならなければ放っておいてもかまいません。見苦しいようなら、地際5cmくらいで切り戻しておけば、新芽が伸びて綺麗に再生します。
3月初旬〜中旬に地際5cmくらいで刈り取ります。この時期に刈り込んでおくことで、4月に新しい葉が綺麗に出揃います。
【重要】葉の縁が鋭いので、手を切ることがあります。手入れや切り戻しを行う際は、手袋を着用しましょう。

株元が蒸れて枯れ葉が目立つようになった株

地際5cmで切り戻しました。 ここまで切り戻しても大丈夫です。
夏越し
耐暑性はあるので特別な対策はいりません。
乾燥させすぎると葉先が枯れ込むので、鉢植えは水切れに注意しましょう。
冬越し
カレックスはほとんどの品種が冬も常緑ですが、冬に葉が少なくなる半常緑性の品種もあります。
鉢植えの土が凍るほど冷え込む地域では、鉢植えは軒下に取り込むなど凍結防止の対策をしましょう。地植えは株元をバーク堆肥でマルチングしておくと安心です。

病害虫
特には見られません。
増やし方
種まきと株分けで増やせます。成長が早いので、株分けで増やすのがおすすめです。
種まき:適期は9月〜10月上旬か、3月〜4月上旬です。
株分け:適期は3月〜4月上旬です。掘り上げた株を切り分けて植え直しましょう。
まとめ

植え付けて3年目の「エヴァリロ」
- 葉色のバリエーションが豊富で、カラーリーフプランツとして親しまれている
- 細長い葉を放射状に伸ばしボリュームのある姿になる
- 耐暑性が強く、耐寒性もほとんどの品種は問題無い
- 日当たりから半日陰を好む
- 性質は丈夫
- 成長が早く、株分けで簡単に増やせる
- ひどく乾燥させると葉先が枯れこむ
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