アジサイ・アナベルは、アメリカ原産のアジサイでアメリカノリノキの園芸品種です。
アナベルは大きな花房が特徴で、一般的なアジサイに比べて枝が細く、繊細な印象なので洋風の庭にもよく似合います。
アナベルは日向を好み、落葉期の剪定が可能など、一般的なアジサイとはやや性質が違うところがあります。
今回は人気のアジサイ・アナベルの特徴や育て方、剪定のポイントなどをご紹介します。
もくじ
アジサイ・アナベルの基本情報
アジサイ科 アジサイ属
耐寒性/落葉低木
原産地 北アメリカ東部
学名 Hydrangea arborescens‘Annabelle’
和名 アメリカノリノキ、アナベル
花色 白、ピンク
花期 6〜8月
樹高 1〜1.5m
耐寒性 強い
耐暑性 強い
日照 日向〜半日陰
アジサイ・アナベルの特徴
写真AC
花色の変化が美しい
アナベルは咲き進むにつれて花色が変化します。白花のアナベルは、蕾の時はライムグリーンで、開花の頃には純白に変化していきます。花はその後またライムグリーンになり、秋には茶色になります。花はドライフラワーにもなります。
基本種の白の他に、ピンク色や濃いピンク色、ライム色の花を咲かせるものがあります。
花色が土壌の酸度の影響を受けない
一般的なアジサイは土壌の酸度(酸性やアルカリ性の濃度)によって花色が変わりますが、アナベルは土壌の酸度の影響で花色が変わることはありません。
剪定の時期を選ばない
アナベルは今年伸びた新しい枝に花をつける新枝咲きです。
春にできた花芽がその年の夏に開花するので、一般的なアジサイと違って冬でも剪定ができます。
アジサイ・アナベルの育て方
栽培環境
日向から半日陰の、水はけと水持ちの良い肥沃な土壌を好みます。大きくなるので地植え向きです。
水やり
庭植え、鉢植えともに水切れには注意しましょう。土が乾きすぎると生育や花つきが悪くなります。
鉢植えの場合は、鉢底から水が流れ出るくらいまで、たっぷりと水やりをしましょう。真夏は朝と夕方の2回水やりをしましょう。
地植えの場合は、根付いた後は降雨に任せますが、夏に乾くようなら朝か夕方に水やりをしましょう。
肥料
1月から3月と、花後の10月から11月に緩効性化成肥料か油粕を与えます。
植え付け
適期は3月から5月と、10月から11月初旬です。
鉢植えの場合は、アジサイの培養土や草花用の培養土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、根鉢の3倍くらいの穴を掘って、掘り上げた土の3割くらいの腐葉土と堆肥をすき込みます。この時に緩効性化成肥料も混ぜ込んでおきます。植え付けた後はたっぷりと水やりをしましょう。
葉が茂った苗を植え付ける場合は、根鉢を崩さないようにしましょう。特に開花株は根鉢を崩すと花が萎れて元に戻らなくなることがあるので気をつけましょう。
植え替え
植え替え適期は落葉期ですが、厳寒期を避けた3月か11月頃が最適です。
鉢植えの場合は、毎年一回りか二回り大きな鉢に植え替えましょう。
地植えの場合は、植え替えの必要はありません。
剪定
アナベルは、春に伸びた枝に花を咲かせる新枝咲きのアジサイです。
花芽は開花する年に伸びた枝にできるので、花が終わった後から冬まで、いつでも剪定ができます。寒冷地では雪が降るまでに、暖地では2月から3月下旬までには剪定をしましょう。
剪定には「樹形を整える剪定」と「強剪定」があります。必要に応じて使い分けましょう。
樹形を整える剪定
樹形を整える剪定をすると、花数は多いですが、ひとつひとつの花は小さくなります。
樹形を整える剪定は、花後すぐから3月まで行えます。
枯れ枝や不要な枝は取り除いて、全体を軽く半円形に刈り込みます。
強剪定
強剪定をすると、枝数と花数は少なくなりますが、大きな花を咲かせます。
強剪定の適期は11月から12月です。
株が大きくなってくると、枝が混み合って細くなり、下葉が落ちて見た目が悪くなるので、2〜3年に一度は強剪定を行います。(毎年行ってもかまいません。)
強剪定は2〜3芽残して地際で刈り込みます。
夏越し・冬越し
耐暑性、耐寒性が強いので特別な対策は不要です。
ただし、夏の水切れには注意しましょう。
病気
うどん粉病
梅雨時や秋にうどん粉病が発生しやすいです。
最初は斑点のような白いカビができ、ひどくなると葉全体が白い粉をふいたようになります。茎にも発生します。放っておくと枯れてしまうこともあるので、早めに見つけて対処することが大切です。
発病した葉は摘み取り、広範囲に広がっているときは殺菌剤を散布しましょう。
モザイク病
アナベルで一番怖いのがモザイク病です。
モザイク病は葉に濃淡ができ、模様ができたようになり、葉が縮れたり変形したりします。モザイク病に効く薬剤はなく、一度かかると治ることはないので、抜き取って処分するしかありません。
モザイク病は主にアブラムシが媒介するので、アブラムシを発生させないことがモザイク病の予防につながります。
モザイク病にかかった植物を切ったハサミが感染源になることもあります。
モザイク病を予防するポイント
- アブラムシを発生させない。見つけたらすぐ駆除する。
- 使ったハサミは消毒する。
害虫
ハダニやアブラムシが発生することがあります。
ハダニは高温乾燥の環境で発生しやすいので、暑くなってきたら気をつけましょう。ハダニの予防は葉の裏への葉水が効果的です。ハダニが大量に発生してしまったら薬剤で駆除しましょう。
アブラムシはモザイク病を運んでくることがあるので、見つけ次第駆除しましょう。
▼ベニカナチュラルスプレーはハダニやアブラムシに効果があります。
増やし方
挿し木で増やせます。
適期は6月から7月中旬です。
まとめ
- 咲き進むにつれて花色が変化する美しいアジサイ
- 日向から半日陰まで育つ
- 鑑賞期間が長い
- 花後から冬まで剪定ができる
- モザイク病には注意が必要
▼紫陽花に似たノリウツギはこちらの記事で紹介しています。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事が少しでもお役に立てると嬉しいです。
*「Amazon」のアソシエイトとして、「ゆるっとガーデニング 」は適格販売により収入を得ています。