ノリウツギ・ミナヅキはアジサイの仲間ですが、花房が円錐形でアジサイとは趣が少し違います。
開花はアジサイよりも遅く、初夏から盛夏になります。
花後の装飾花の鑑賞価値が高いので、花後も秋まで長い間楽しめます。
ノリウツギ・ミナヅキを育てている方から
うまく育たない!
剪定方法がよくわからない!
という声をよく聞くので、育て方や剪定方法をまとめてみました。
もくじ
ノリウツギ・ミナヅキの基本情報
ユキノシタ科アジサイ属
耐寒性低木 落葉樹
原産地 日本
学名 Hydrangea paniculata ‘minaduki’
別名 ピラミッドアジサイ
花色 白
花期 初夏〜盛夏
樹高 2m弱
耐寒性 強い
耐暑性 強い
日照 日向〜やや半日陰
ノリウツギ・ミナヅキの特徴

7月の庭から
円錐形の美しい花房
長く伸びた枝先に、初夏頃から花を円錐形の房状に咲かせます。
花びらのように見えるのは、ガクが花びら状に変化した『装飾花』と呼ばれるものです。
本当の花はこの『装飾花』の中心に小さく咲くので目立ちません。
蕾はグリーンで徐々にクリーム色に変わり花を咲かせます。
花後に残ったガク(装飾花)が秋になるとピンクに色づきます。
*地域差があり寒い地域の方が綺麗なピンク色になります。
アジサイの仲間ですが、花の色は土質の影響を受けません。
育てやすい落葉低木
ノリウツギ・ミナヅキは日本各地に自生するノリウツギの改良品種で、耐寒性・耐暑性が強く全国で栽培可能です。
樹高は2m弱ですが、剪定によっては1m程度にできるので、鉢植えでも育てることができます。
春に伸びた枝先に花を咲かせる新梢咲きなので、剪定は花後から冬まで可能です。
晩秋には葉が黄色く紅葉し落葉します。
ノリウツギの改良品種には他にもいろいろありますが、
花上がりが良い『ライムライト』が人気があります。
『ライムライト』は蕾がグリーンで、ライムがかったクリーム色に変化します。
育て方はミナヅキと同じです。
ノリウツギ・ミナヅキの育て方

ひとつひとつの花は紫陽花に似ていますね
栽培環境
日当たりの良い場所を好みます。
(1日に数時間日光が当たれば十分開花します。)
夏の西日は避けます。
水はけの良い場所を好みますが、土が乾燥するような場所は苦手です。
多少湿り気があるくらいの方が育ちは良いです。
水やり
ノリウツギ・ミナヅキは土が乾燥するのが苦手です。
鉢植え
土の表面が乾いたら、たっぷりと水やりします。
春と秋は1日1回、夏は水枯れしないように1日2回程度水やりします。
地植え
植え付けから2年未満の株は土が乾いているようなら水やりします。
2年以上経った株は降雨に任せますが、夏に雨が少なく土が乾く時は水やりしてください。

6月下旬の庭 蕾が少しずつ膨らんできました
肥料
早春(3〜5月)に緩効性化成肥料を与えます。
植え付け
適期は落葉期の11月〜3月です。
土質はあまり選びませんが、水はけが良く有機質の多い土の方がよく育ちます。
鉢植えの場合は市販の草花用培養土か、アジサイの土で問題なく育ちます。
地植えの場合は、庭土に腐葉土を混ぜ込み、水はけの良い環境を作ります。さらに元肥として緩効性化成肥料も混ぜ込んでください。
植え替え
適期は落葉期の11月〜3月です。
鉢植えの場合は、根詰まりするようならひと回り大きな鉢に植え替えます。
*落葉期以外に購入した苗が根が張りすぎて土がすぐに乾いてしまうような場合は、ひと回り大きな鉢に植え替えておいた方が夏越しが楽です。ただし、その場合は根鉢を崩さずにそっと植え替えてください。
地植えでは植え替えの必要はありません。

7月下旬の庭から
剪定
適期は11月〜3月です。
ノリウツギ・ミナヅキは春に伸びた枝先に花が咲く新梢咲きなので、剪定は花後から冬まで可能です。
剪定は強剪定と弱剪定のどちらもできます。
剪定の方法によって、樹形や樹高、花の大きさ、花の数が変わってくるので、好みに合う剪定方法を選んでください。
強剪定
花後から冬に、地際で数節残してバッサリと切り戻します。
花数は減りますが、ひとつひとつの花が大きくなります。
花丈が揃い放射状の美しい樹形になります。
樹高を1m前後に抑えることができます。
弱剪定
花後に花だけを切ります。
さらに秋から冬にも枝の先端を軽く切ります。
古い枝を残すことで、翌春の新枝がたくさん出ます。
花は小さめですが、たくさん咲きます。
弱剪定をした場合、樹高は2m近くになることもあります。
夏越し
耐暑性は強いですが、乾燥に弱いので水切れさせないように気をつけてください。
鉢植えは水枯れしないように、1日に2回程度水やりします。
地植えは土が乾く時は水やりしてください。
冬越し
耐寒性は強いので特に対策は必要ありません。
病害虫
ほとんど見られません。
増やし方
挿し木で増やせます。
適期は3月〜4月と6月下旬〜7月上旬です。
3月〜4月に使う挿し穂は前年に伸びた枝を使います。
この時期に挿し木をするなら、前年は弱剪定にしておいて、前年に伸びた枝を残しておく必要があります。
6月下旬から7月上旬に使う挿し穂は、今年伸びた新しい枝を使います。
我が家のノリウツギ・ミナヅキ
我が家の庭には、ノリウツギが好むような環境が少ないので、地植えはできません。
鉢植えで育てています。
剪定方法が違うと樹形がどう違ってくるのか、我が家のノリウツギを見ていただくとわかるかな、と思い写真を載せました。
実は上手に弱剪定できたことがなくて、これは下手な弱剪定の例になります(^_^;)

2019年8月中旬 ノリウツギ・ミナヅキ
なんとも格好悪い樹形です(笑)

2021年6月下旬
こちらは3月の初めに強剪定した株。こんなに綺麗な放射状になります。
今は一日中日光が当たる環境で育てています。
この後は様子を見ながら、明るい半日陰に移動します。
もう蕾もついています。花が咲くのが待ち遠しいです。
まとめ
- アジサイが終わる初夏頃から花く
- 房状に咲くクリーム色の装飾花が華やか
- 花後の装飾花も鑑賞価値が高い
- 日向〜やや半日陰でを好むが、夏の西日は避ける
- 乾燥した土壌は苦手で、多少湿り気がある方が育ちが良い
- 新梢咲きなので、剪定時期を選ばない
- 耐寒性・耐暑性が強く全国で栽培可能
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