スイートアリッサムの育て方|夏越し・冬越しさせるには?

アリッサムの白い花

スイートアリッサムは可憐な小花を手毬状に咲かせる一年草。

可愛い花姿はどんな植物とも馴染み、花色も豊富で、寄せ植えの名脇役として人気の植物です。

冬から春にかけて流通しますが、実は寒さにやや弱く、寒風や霜に当たると傷み、最悪の場合は枯れてしまうこともあります。温暖地以外では冬は防寒対策が必要になります。

今回はスイートアリッサムの特徴や育て方、夏越し、冬越しなどをご紹介します。

スイートアリッサムの基本情報

アリッサムの花

2月の庭 レモンイエローのアリッサム

分類 秋まき一年草
アブラナ科
ニワナズナ属
原産地 地中海北岸から西アジア
学名 Lobularia maritima
花色 白・紫・ピンク・ローズ・レモンイエロー・サーモンピンクなど
花期 3月〜6月と10月〜12月(暖地では冬の間も開花)
草丈 10〜20cm 
耐寒性 やや弱い
耐暑性 弱い
日照 日向

スイートアリッサムの特徴

花色が豊富

スイートアリッサムは、可憐な小花を手毬状に密に咲かせます。

花色が豊富で、白、紫、ローズ、ピンク、レモンイエロー、サーモンピンクなどがあります。

品種によっては、濃い色と薄い色がグラデーションのように咲くものもあります。

花つきが良い

花つきが大変良く、最盛期にはびっしりと株を覆うように花を咲かせます。

背丈が低い

背丈が低く這うように広がります。この草姿を活かして花壇の縁取りや、寄せ植えの前面、ハンギングなどに使うのがオススメです。

アリッサムの白い花

高温多湿に弱い

本来は多年草ですが、夏の高温多湿に弱く日本では夏を越せないことが多いので、一年草として扱われます。

寒さにやや弱い

苗が出回る時期は早春と晩秋、初冬です。このため寒さに強いと思われがちですが、実は寒さにはやや弱い植物です。寒風や霜に当たると、花が咲かなくなったり株が傷んだりします。最悪の場合は枯れてしまうこともあります。

パンジー・ビオラの寄せ植えによく使われますが、パンジー・ビオラとは耐寒性が全然違います。寄せ植えに使った場合には、スイートアリッサムに合わせた防寒対策をする必要があります。

こぼれ種で増える

一度植えると環境が合えばこぼれ種でよく増え、翌年も花を咲かせます。

スイートアリッサムの育て方

紫のアリッサムの花

グラデーションのように咲く紫のスイートアリッサム

栽培環境

日当たりと風通しの良い場所を好みます。

高温多湿は苦手なので、夏は涼しい日陰になる場所が理想的です。寒さにはやや弱いので、冬の間は寒風や霜が当たらない軒下で育てます。

用土

水はけと通気性が良く、適度な保水性のある土を好みます。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題ありません。

地植えの場合は、掘り上げた庭土に腐葉土と緩効性化成肥料を混ぜ込んでおきます。

酸性土壌は苦手なので、庭土が酸性に傾いているようなら、あらかじめ苦土石灰をまいて中和しておきましょう。

水やり

適湿を好みます。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと水やりをします。

地植えの場合は、降雨に任せますが、乾燥が続くようなら水やりをします。

肥料

葉の色が薄くなったり、花数が減ってきたように感じたら、追肥として置き肥を与えます。

真冬は肥料を与えないでください。

アリッサムの白い花

植え付け

適期は春と秋です。

春は霜の心配がなくなる3月〜4月、秋は寒くなる前の10月〜11月が良いでしょう。

秋に植える場合は、暑さがおさまったらなるべく早く植え付けて、冬までにしっかりと根を張らせておきましょう。

移植を嫌うので、植え付け時には根を痛めないように、根鉢は崩さず優しく扱ってくださいね。

手入れ

ひと通り花が咲き終わったら、草丈を半分まで切り戻します。株が徒長して乱れてきた時も、同じように切り戻してください。花期の間なら、ひと月ほどで再び開花します。

アリッサムの花

夏越し

高温多湿に弱く、夏越しは少し苦手です。夏越しに挑戦するなら次の対策をとりましょう。

  • 初夏に草丈を半分まで切り戻す
  • 鉢植えは涼しい日陰に移動する
  • 地植えは遮光する
  • 乾燥気味に育てる

冬越し

寒さにやや弱く、寒風や霜に当たると花が咲かなくなったり、最悪の場合は枯れてしまうことがあります。寒風や霜に当てないことが冬越しのコツです。

  • 鉢植えは日当たりの良い軒下に移動して、夜間は不織布をかける
  • 地植えは株の周りを腐葉土かバーク堆肥で覆い、夜間は不織布をかける

*私の住む地域は、一番寒い時はマイナス8度まで下がりますが、毎年この方法で冬越ししています。

*不織布とは

  • 繊維を織らずに絡み合わせたシート状のもので、通気性・透水性・保温性があります。
  • ホームセンターの園芸用資材売り場や100円均一のお店で、『園芸用不織布』の名前で売られています。
  • 遮光率は遮光率は30〜90%と幅が広いので、昼間もかける場合は遮光率が低いものを選ぶと良いでしょう。私が使っているのは遮光率が60%のものです。昼間は外しています。
レモンイエローのスイートアリッサムの花

夜は霜除けしている鉢は冬の間も花を咲かせています

増やし方

挿し木と種まきで増やせます。

挿し木

挿し木の適期は5月〜6月ですが、個人的に挿し木はおすすめ出来ません。スイートアリッサムは暑さに弱いので、挿し木した苗を夏越しさせるのが難しいからです。

種まき

種まきは春か秋になります。発芽適温は15度〜20度です。

*暖地以外では、こぼれ種でもよく増えます。

病害虫

暖かくなるとアブラムシがつくことがあります。見つけ次第駆除しましょう。

まとめ

アリッサムの花

  • 花色が豊富で花上がりが良い
  • 背丈が低く這うように広がる
  • 寄せ植えに使いやすい
  • 日当たりと水はけ・水持ちの良い環境を好む
  • 夏の高温多湿に弱いので初夏には切り戻す
  • 冬の寒さに弱いので寒風や霜には当てないように育てる

近年は、スーパーアリッサム』という耐暑性のある品種が人気です。

この品種は暑さに強く、周年花を咲かせる優れもの。強健で育てやすいのでおすすめです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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