ニオイスミレには色々な品種がありますが、今回は店先でよく見かけるふたつのニオイスミレをご紹介します。一重咲きでピンクの花を咲かせる「リディア・グローブス」と、八重咲きの「パルマスミレ」です。どちらもとても良い香りでたくさん花を咲かせる人気の品種です。
ニオイスミレは多年草ですが、性質には大きな違いがあります。そこで今回は、2種類のニオイスミレの性質の違いをご紹介したいと思います。
もくじ
ニオイスミレの基本情報
大きな違いは耐寒性です。
リディア・グローブスの基本情報
スミレ科スミレ属
耐寒性多年草
学名 Viola odorata
別名 ニオイスミレ
花色 ピンク
花径 2cmくらい
花期 2〜4月
草丈 10〜20cm
耐寒性 強い
耐暑性 やや弱い(高温多湿は苦手)
日照 日向〜半日陰(夏は半日陰)
パルマスミレの基本情報
*「ニオイスミレ」とラベルに表示がありますが、正確にはパルマスミレはニオイスミレとは別の種です。
スミレ科スミレ属
半耐寒性多年草
学名 Viola suavis
別名 八重咲きニオイスミレ
花色 白、紫
花径 3cmくらい
花期 3〜4月
草丈 10〜20cm
耐寒性 弱い(最低気温は0度まで)
耐暑性 やや弱い(高温多湿は苦手)
日照 日向〜半日陰(夏は半日陰)
ニオイスミレの特徴
リディア・グローブスの特徴
- 花は一重
- こぼれ種で増える
- 耐寒性が強い
花は2cmほどの大きさの一重咲きで、優しい香りです。
株元から伸びるランナーで横に広がっていきます。
花の後には種ができます。5月ごろからは葉の陰で閉鎖花(花が開かず自家受粉する)をつけて種を作ります。
こぼれ種がたくさん発芽してどんどん増えます。
リディアグローブスは耐寒性がとても強いです。
最低気温がマイナス7℃くらいまで下がった日に鉢の土が凍って、株が萎れてしまうことがありました。凍った土はなかなか溶けず、萎れた株が元の状態に戻るまでに5日ほどかかりました。こんなことは初めてで、元に戻るのは無理かな・・・と諦めていたのですが、耐寒性の強さにびっくりしました。
▼こぼれ種で増える植物はこちらに記事も
パルマスミレの特徴
- 花は八重咲き
- 種はつけない
- 耐寒性は弱い
花は3cmほどの大きさの八重咲きで、とても香りが強いです。
花が重たいので花茎は立ち上がらず、倒れたようになって咲きます。
株元から伸びるランナーで広がっていきます。
残念なことに、種をつけません。
伸びたランナーの節から根を出すので、これを切り離してポットなどに植え付けて増やすことができます。
パルマスミレの耐寒性は弱いです。
パルマスミレのラベルの耐寒温度は0度となっていますが、環境によってはもう少し低い気温にも耐えると思います。実際、冬の最低気温がマイナス2〜4℃まで下がる我が家の庭で、写真のパルマスミレは4回も冬を越しているからです。年に数回はマイナス7℃くらいまで気温が下がることもありますが、植え付けた場所が建物と車庫に挟まれた通路で、霜が降りにくい環境のおかげかもしれません。
我が家の栽培記録
昨年5月にリディア・グローブスをこぼれ種から育て、初夏に2箇所に植え付けました。
①午前中は半日陰で午後から西日が当たる場所(土は硬い)
②南西の塀沿いで一日中日当たりが良い場所(土はふかふか)
今年の2月2日
夏は半日陰を好むニオイスミレには、どちらも過酷な環境ですが、無事に夏を越して、真冬の今も元気です。夏も冬も特別な対策なしでこの状態です。
多年草のスミレは夏は半日陰が良いと言われていますが、日向でも夏を乗り越えれるんだなと思いました。
そして、植え付けた時には大きさには差がなかったのに、生育後は大きな違いが出ました。春になっても違いは一目瞭然です。
今年の3月17日
①のニオイスミレ
②のニオイスミレ
土が硬い花壇の株は生育が良くなく、土がふかふかの花壇の株は大きく育ちました。
①と②の生育の違いは土の影響が一番大きいと思います。土は大切な要素だということを改めて実感しました。
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